ザ・キラーズ / インプローディング・ザ・ミラージュ

「ザ・キラーズ（The Killers）」の２０年８月発表、６th「インプローディング・ザ・ミラージュ（Imploding the Mirage）」を聴きました。

僕が持っているのは、国内盤。

（ジャケット表）

（ジャケット裏）

（ブックレット裏＆ＣＤレーベル）

（ブックレット）

（帯表裏）

ザ・キラーズは、アメリカ・ラスベガス出身のロック・バンド。
メンバーは、ブランドン・フラワーズ（ボーカル＆キーボード）、マーク・ストーマー（ベース）、ロニー・ヴァヌッチィ（ドラムス）。

このアルバムは、大ヒットした前作「ワンダフル・ワンダフル（Wonderful Wonderful）」に続く６作目（全米８位・全英１位）。
プロデューサーは、ショーン・エヴェレットとジョナサン・ラドー。
当初は５月に発表の予定でしたが、コロナの影響で８月にずれ込みました。
また、ギタリストのデイヴィッド・キューニングの不参加（脱退はせず）や、ブランドンの奥様の療養のため、ラスベガスからユタ州に引っ越して現地で制作したりと、新たな展開を見せた作品です。

１曲目「マイ・オウン・ソウルズ・ワーニング（My Own Soul’s Warning）」は、全米オルタナティヴ・ソングス・チャート７位・全英８４位。ブルースス・プリングスティーンを彷彿とさせるストレートなロック・ナンバー。
２曲目「ブロウバック（Blowback）」は、Ｕ２的なポップ路線の曲。終盤に流れる美しいコーラスが印象的です。曲名は、直訳すれば「排出煙」ですが、複合的な意味を持つようです。
３曲目「ダイイング・ブリード（Dying Breed）」は、全米オルタナティヴ・デジタル・ソングス・チャート１５位。前半はジャーマン・ロックのカン「Moonshake」のサンプリング・ループに乗って快調なテンポで淡々と歌われるのに対し、後半は一気に爆発して曲調がアップテンポに変わり、ドラマチックに展開します。曲名は「絶滅危惧種」。
４曲目「コーション（Caution）」は、全米オルタナティヴ・ソングス・チャート１位・全英９５位。終盤のギター・ソロは、フリートウッド・マックのリンジー・バッキンガム。これが格好良いです。
５曲目「ライトニング・フィールズ（Lightning Fields）」は、ｋ.ｄ.ラングとのデュエットですが、後半に差し掛かって、ようやく彼女の歌声がはっきりと確認できます。　
６曲目「ファイアー・イン・ボーン（Fire in Bone）」は、全米オルタナティヴ・デジタル・ソングス・チャート１８位。ニューウェーブ風のファンキーな曲。キュアーやカーズの影響が感じられます。
７曲目「ランニング・トワーズ・ア・プレイス（Running Towards a Place）」は、流暢なキーボードが鳴り響く、Ｕ２系のストレートなロック。
８曲目「マイ・ゴッド（My God）」は、女性シンガー・ソングライター、ワイズ・ブラッドとのデュエット。ミュージカルやオペラ風の曲。異色な感じですが、逆にインパクトがあります。
９曲目「ホエン・ザ・ドリームス・ラン・ドライ（When The Dreams Run Dry）」は、前半はゆったりと歌い上げますが、これまた中盤以降はテンポアップする、華麗なポップ・ナンバー。エンディングのシンセによる余韻が印象的です。
１０曲目「インプローディング・ザ・ミラージュ（Imploding The Mirage）」は、アルバム・タイトル曲。カーズのリック・オケイセックを思い起こす、ちょっとひねくれたボーカルのポップ・ナンバー。曲名は、直訳すれば「幻想を内破する」ですが、ラスベガスに「ミラージュ」という名のカジノ・ホテルがあるようです。

影響を受けたバンドが垣間見えますが、決してパクリではなく、各曲の完成度も高いです。

Youtubeで「コーション（Caution）」のＰＶ映像とライヴ映像を見つけたので、ご紹介しましょう。