「ザ・ウェイラーズ(The Wailers)」の73年10月発表、6th「バーニン(Burnin')」を聴きました。
僕が持っているのは、20年発売の紙ジャケット、デラックスエディション2枚組、04年リマスター、ボートラ17曲付。
(ジャケット表)
英国初回アナログ盤ジャケットを再現。日本盤LP帯付。
(帯を外したジャケット表)
(ジャケット裏)
(ジャケット内側)
(米国CD用24Pブックレット)
(帯表裏)
ボブ・マーリーの生誕75周年を記念して、アイランド・レコード時代の紙ジャケットCDが再発されました。
前回との違いは、日本盤再現帯を付属した代わりに、レーベルカードを削除した点です。まあ、ユニバーサルでよく見かけるパターンですが、それ以外は日本語解説書も含めて違いはないようです。
このアルバムは、5th「キャッチ・ア・ファイア(Catch a Fire)」に続く、メジャー・レーベル(アイランド・レコード)第2弾、通算6作目(全米151位・全米R&B41位)。
この当時は、まだザ・ウェイラーズを名乗っており、メンバーはボブ・マーリー(ボーカル&ギター)、ピーター・トッシュ(キーボード、ギター&ボーカル)、バニー・ウェイラー(コンガ、ボンゴ&ボーカル)、アストン・バレット(ベース)、カールトン・バレット(ドラムス)、アール・リンド(キーボード)の6人。
ただし、このアルバムの発表後、ピーター・トッシュとバニー・ウェイラーが脱退するため、ザ・ウェイラーズ名義としては最後の作品となります。
二人の脱退の理由は、ありがちな話ですが、ボブ・マーリーばかりが脚光を浴びる点や過酷なツアーにあったようです。
Disc1は、オリジナル・アルバムのリマスター10曲にボートラ5曲を追加。
Disc2は、73年11月23日の英国リーズにおけるライヴ12曲。この時点で、既にバニー・ウェイラーは脱退しており、残りの5人による演奏です。
Disc1
1曲目「ゲット・アップ・スタンド・アップ(Get Up, Stand Up)」は、全蘭33位。「起き上がれ 立ち上がれ 権利のために立ち上がれ」と歌われる、戦う男マーリーを象徴する歌。
2曲目「ハレルヤ・タイム(Hallelujah Time)」は、バニーのリード・ボーカルによる賛美歌。
3曲目「アイ・ショット・ザ・シェリフ(I Shot the Sheriff)」は、全英67位。エリック・クラプトンのカバーで有名(全米1位・全英9位)。
4曲目「バーニン・アンド・ルーティン(Burnin' and Lootin)」は、気だるい雰囲気の中、マーリーとコーラスの掛け合いが聴き所の曲。また、「焼き討ちと略奪」を連呼する暴力性のある歌詞も特徴的です。
5曲目「プット・イット・オン(Put It On)」は、3曲目のシングルB面。ジャマイカ時代の曲のセルフ・リメイク。神への感謝を述べた曲。
6曲目「スモール・アクス(Small Axe)」も、ジャマイカ時代の曲のセルフ・リメイク。
7曲目「パス・イット・オン(Pass It On)」は、バニーのリード・ボーカル。ソウルフルなナンバー。歌詞に登場する「JAH」とは、唯一神エホバの事。ジャマイカのラスタファリアニズムでは、「ジャー」と呼びます。
8曲目「ダビー・コンカラー(Duppy Conqueror)」は、ジャマイカ時代の曲のセルフ・リメイク。「トゥルルルル」と歌うコーラスが面白いです。
9曲目「ワン・ファウンデーション(One Foundation)」は、ピーターのリード・ボーカル。人類愛を歌った曲。
10曲目「ラスタマン・チャント(Rasta Man Chant)」は、コーラス、キーボード、パーカッションによる、ラスタファリアンの集会音楽ナイヤビンギ調の神秘的な曲。ラスタマンとは、ラスタファリアニズムを信仰する人。
ボートラ11曲目「リインカーネイテッド・ソウルズ(Reincarnated Souls)」は、シングル「コンクリート・ジャングル(Concrete Jungle)」B面。バニーのリード・ボーカルによる、重厚なコーラスを伴った曲。
同12曲目「ノー・シンパシー(No Sympathy)」は、未発表曲。ピーターのリード・ボーカルと追い掛けコーラスが特徴的な曲。
同13曲目「オプレスド・ソング(The Oppressed Song)」は、未発表曲。バニーのリード・ボーカル。アコースティックギターのイントロですが、すぐにキーボード主体のレゲエに切り替わります。
同14曲目は、1曲目の未発表別ヴァージョン(オルタネイト・テイク)。
同15曲目は、1曲目の未発表シングル・ヴァージョン。この曲は結局3つのヴァージョンが収録されておりますが、それぞれアレンジやミキシングが異なり、違った趣きで楽しめます。
Disc2
1曲目「ダビー・コンカラー(Duppy Conqueror)」は、6th「バーニン」収録曲。
2曲目「スレイヴ・ドライヴァー(Slave Driver)」は、5th「キャッチ・ア・ファイア」収録曲。
3曲目「バーニン・アンド・ルーティン(Burnin' and Lootin)」は、6th「バーニン」収録曲。
4曲目「ユー・キャント・ブレイム・ザ・ユース(You Can't Blame the Youth)」は、アルバム未収録曲。
5曲目「ストップ・ザット・トレイン(Stop That Train)」は、5th「キャッチ・ア・ファイア」収録曲。
6曲目「ミッドナイト・レイヴァース(Midnight Ravers)」は、5th「キャッチ・ア・ファイア」収録曲。
7曲目「ノー・モア・トラブル(No More Trouble)」は、5th「キャッチ・ア・ファイア」収録曲。
8曲目「キンキー・レゲエ(Kinky Reggae)」は、5th「キャッチ・ア・ファイア」収録曲。
9曲目「ゲット・アップ、スタンド・アップ(Get Up, Stand Up)」は、6th「バーニン」収録曲。
10曲目「スター・イット・アップ(Stir It Up)」は、5th「キャッチ・ア・ファイア」収録曲。
11曲目「プット・イット・オン(Put It On)」は、6th「バーニン」収録曲。
12曲目「ライヴリー・アップ・ユアセルフ(Lively Up Yourself)」は、7th「ナッティ・ドレッド(Natty Dread)」収録曲。
前述の通り、バニー脱退後のライヴなのが残念ですね。やっぱり、3人でないとコーラスが薄っぺらいです。
日本語解説書によれば、このライヴの1週間後にボブとピーターが大喧嘩をして、ピーターも脱退することにより、オリジナル・ザ・ウェイラーズは瓦解します。
これで、3人による重厚なコーラスは、永遠に聞けなくなってしまいました。
Youtubeで「アイ・ショット・ザ・シェリフ(I Shot the Sheriff)」のライヴ映像を見つけたので、ご紹介しましょう。
同じくYoutubeの「ゲット・アップ・スタンド・アップ(Get Up, Stand Up)」のPV映像です。
同じくYoutubeの「バーニン・アンド・ルーティン(Burnin' and Lootin)」の音源です。
同じくYoutubeの「ダビー・コンカラー(Duppy Conqueror)」のライヴ音源です。