あるところで久々「経皮毒」という言葉を聞きました。

これは、洗剤やジャンプーなどの成分が肌から吸収されて、がんになったり、胎児に影響を与えたりするという情報。

調べてみると「経皮毒研究会」なるものもあります。

 

私は、心も身体もデリケートなので(笑)、化粧品などで肌が荒れた経験はありますし、最近はお酒を飲むと肌が痒くなったりします。

食材でも、エサにこだわった卵が美味しいとか、調理をする前に蜂蜜やスパイスなどを肉に練り込むと柔らかくなるとか、食の因果関係があることは否めないと思います。

 

が。

がんになるとか、胎児に影響があるとか、果たして「添加物」だけが原因なのだろうかとも思います。

 

都内のマルシェをやっているときには「有機栽培ですか」「オーガニックですか」とやたら農薬を使う慣行栽培に目くじら立てる客がいました。

また、「コンビニのおにぎりは添加物だらけ」説も根強いのが、この系統の「意識高い系」の情報にあります。

 

私が高校時代は、有吉佐和子の「複合汚染」と言う本がベストセラーになり、環境汚染や化学物質、添加物(確かに、チクロのような発がん性のあるものが添加物として使われていました)などに人々が関心を持つようになりました。

でも、それから、何年たっているでしょう?

頭の中が、まだ「複合汚染」時代な人たちがなんと多いことか。

 

体操選手の内村航平さんは偏食だったけれどオリンピックで活躍したし、「あのちゃん」も食事にはお菓子しか食べないのだとか。

彼らが年をとってからがんになるかもしれないし、不幸なる余生になるかもしれないけれど、あれだけ有名になれば何があってもいいし、他人がとやかく言うスジアイでもなく。

まあつまり、今の時代は何を食べても「すぐに死ぬことはない」と思うのです。
 

食の安心安全を考えるなら、汚い台所で調理したものよりも、冷蔵庫並みの低温環境で菌管理しているコンビニ食のレトルト食品のほうがずっとずっと安心だし、素材であっても「うちは有機栽培だ」と自前の肥料を使っている農家さんより大手企業のほうが管理はしっかりしている(一般的には)

ましてや近年は嘘をつけない仕組みがたくさんあるし、内部告発もあります。
 

食べるものについて、自分なりの選択基準を持ち、自分なりに健康的な食生活を送ることは大切だと思うけれど、「お菓子だけ食べる」生活が変だと思うのと同じくらい「意識高すぎさん」な食生活提案はどうかしらねえと思うことあり。

 

ところで、桂皮毒(の情報流布)については「何がいけないか」ということを論文にしたものがあります。

非科学的に恐怖心をあおること。
毒性を表す根拠のないこと。

界面活性剤についての無理解。

 

つまり、科学的知識や根拠のない情報が「正義」となって流布されていくというわけです。

 

もちろん、世の中のいろいろなものに疑問を持ち、それぞれの正論、正義を信じていくことも悪いことではありません。

でも、自分で見て、自分で調べて、自分で見ることが大切だし、

たとえ大学の先生や(元)大臣であっても、その人の理論や説が正しいかどうかは疑ってかかってもいい。

世の中は科学で結論づけられることばかりではありませんが、

科学的根拠というものは重要ではあると思います。

 

いま気になってること

 

 

 

 

 

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