私の母は私に対して「褒めて育てる」教育はしていなかったように思います。
いつもがみがみとくちやかましくて、何をやっても否定的、批判的で、「のびのびと育てる」なんていうことはさらさらなかったような気がします。
長女でもある私はいつも母の不満を自分の責任のように感じ、どうしたら母が満足できるのだろうかという漬物石のような重いものを抱えて生きてきたようにも思います。

 

20代のはじめに、私はアメリカでホームステイをさせていただきましたが、アメリカのお母さんは私の母とはまったく逆で、なにをしても褒めてくれるし、とにかく前向きで、チャレンジ精神旺盛の人でした。

私が、失敗したり、嫌なことがあって暗い顔をしているときに、アメリカのお母さんはいつも「ジュンコ、スマイルよ。チャレンジよ」と笑顔で励ましてくれました。チャレンジ精神が大切であると、いつも勇気づけてくれたものです。

 

アメリカのお母さんは、お父さんの仕事の関係で中東で暮らすことになったときも、「わくわくするわ。いまから外国語を勉強するのよ!」と張り切っていて、実際に赴任中は現地の工芸を学んだりして、どこにいても何をしても生活をおう歌することができる人でした。新しいことに対してはまず不安や心配が先立ち、後ろ向きにしか考えられない母とは大違いでした。

 

アメリカのお母さんは専業主婦でしたがNPO活動も積極的に行っていて、ドラッグ中毒の浮浪者を立ち直らせることに取り組んでいたり(何度も裏切られていたのに!)、観光旅行に行ったタイの山間地域での女性たちの暮らしをサポートする活動をしたり、会社勤めをしている人以上に忙しく働いていました。

 

ホームステイ先の家は普通よりは少し余裕があったのでしょうけれど、決して富豪などではありませんでした。
毎朝、コーヒーを煎れるのがお父さんの仕事で(といってもパーコレーターをセットするだけ)、朝ごはんは各自で好きなものを食べて、食器は食洗器に入れるだけで洗い物などは誰もしませんでした。(30年以上前なのに!)
大きな冷凍冷蔵庫には食品をたくさんストックしてあって(買い物は1週間に1度)、ランチのサンドイッチは自分で作って持っていくようにと言われ、「アイスクリームもいつでも食べていいわよ」と、自主性MAXでした。

 

私は、アメリカのお母さんと日本の母親がなぜこんなに違うのだろうと思いました。

どうしたら日本の母がアメリカのお母さんのように明るく暮らせるようになるんだろうと思いました。

私は自分の母だけではなくて世界中の女性たちが、アメリカのお母さんのように明るく、前向きに、人々に勇気を与えられる存在になれるといいのに、とずっと思っていますし、自分もそうありたいと思っています。

 

その後、私は何度もアメリカのファミリーを訪れましたが、近年は子供たちとときどきSNSでメッセージを送りあう程度となってしまっているのがとても残念です。

 

 

 

勇気づけられたこと

 

 

 

 

 

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