先日、防虫・殺虫剤のトップメーカーで開発をしていた方に聞いた話。
「ネットで書いてもいいですか」と確認済みなので書きますよ。

そちらのメーカーで困っていることは「蚊がいない」ということ。

蚊に効果がある薬を開発するためには、実験用の蚊が必要。
ところが、実験用の蚊を育てられないのだそうです。

ええええ???? なになに、どういうこと????

「蚊は、血を吸わないと、元気な卵を産めないんです。
その、血を提供する動物を使えないんですよ」

従来は、血を提供してもらうために、ラットやヒヨコを使っていたけれど、
最近はヒヨコでさえもダメだったりするので、
研究している教授によっては、自分の身体で血を吸わせている人もいるのだとか!?

蚊は結構グルメで、人口の血であるとか、保管してある血ではダメだそうで、
フレッシュな血じゃないとダメなんだそうです。

アニマルウエルフェアっていうのが、国によっても考え方が違ってやっかいなんですよね」

アニマルウエルフェアというのは「動物福祉」と訳されていますが、
動物の心理的幸福を考え、痛みやストレスを最小限に抑える(あるいはそうしたものを与えない)という考え方。

「えー、だって、みんな、卵食べてるじゃないですか? 卵はいいんですか?」
「卵はいいけど、ヒヨコはダメなんじゃないの? あと、生きてるのに血を吸わせるとか残酷だって思われるんじゃないかなあ」
「じゃあ、魚を釣るときの、赤い虫とか、あれもダメなんですかね」
「疑似餌を使わないといけないって言われるかもねえ」


そんなわけで、化粧品のパッチテストなども、
以前は人間の皮膚に近い豚であったり、ウサギやラットなどを使った実験をやって、安全な商品を開発していたそうですが、
現在はもっぱら人工皮膚や科学的な実験中心なので「かえって怖いと思うことがある」とか。
「化粧品メーカーで、『うちは動物実験をしません』て宣言しているところとか、ちょっと心配になるよねえ」
(私たちの安心安全は、多くの動物たちの犠牲によって成り立っていたんですね)


話は蚊に戻ります。


蚊は、基本、オスとメス、1夫1婦制で、
ボウフラから孵化すると、メスの身体のなかにはすでに卵があるそうです。
(人間でも卵があるけれど、受精しないと生理になる)
オスはメスにやいやいととりいって、つがいになると卵が受精するので、
メスはせっせと血を吸って、丈夫な卵に育てるのだそうです。

つまり、血を吸うのはメスだけなんだそうです!!!

そして、研究材料になるのは、この「血を吸う」メスのみ!!!
オスはいらん!!!

こうした、研究用の蚊を育てている会社もあり、
頼むとちゃんとメスだけを届けてくれるのだそうですが、
そうした会社もなかなか経営が厳しく、減っているそうです。

「害虫駆除といっても、根絶やしにはできないんですよ」
(これは以前、Gについて、やはり害虫駆除メーカーの人に聞いたことがあります)

そんなわけで、
アニマルウエルフェアのおかげで防虫や害虫も難しくなっているというけれど、
そもそも「アニマルウエルフェア」の観点に立つのであれば、
「一寸の虫にも五分の魂」というくらいだから、虫を殺すのもいかんということにならないのか。

「そのへんのバランスが難しいんですよねえ」

 

最近では、薬ではない方法で交尾しなくなるようなフェロモンとか、

天敵の研究なども進んでいるそうです。

話は、Gや畜産に及び、非常に盛り上がりました。
以上一部抜粋。
ちゃんと調べていないので、多少事実と違うことがあるかもしれません。