Facebookでちょっと話題になっている「大学生この服大すぎ」という写真のリンク。

みんなが制服のように同じ服を着ていて、それについては「恥ずかしい」とか「みっともない」という感覚よりもむしろ「かぶった(笑)」と、ちょっと楽しいイベントとしてとらえているっぽい。

ちょっと前なら「ユニクロでかぶった」というと、なんだかすごく恥ずかしいと思われたり、
「安いブランド」とわかるということは、あまりカッコイイことではなかった。

でも、いまは、ユニクロはぜんぜん恥ずかしくないし、シマムラだって、H&Mだって、
「安くたって、かわいいからいいもーん」と、立派なブランドになっている。

ま、それはそれでよいけれど、

廉価ファッションというのはカジュアルなもので、
たとえば自宅でお風呂上りに着るものであったり、
リゾート地でリラックスするときに着るものであったりするようなデザインであったりする。

にもかかわらず、
ときとして、職場に、リゾートファッションとか、超カジュアルファッションで登場することがアタリマエと思っている人がずいぶんと増えてきているような気がするのですね。

しかも、日本は温暖化が進んで、だんだん猛暑になってきているなかで、
「服なんか着てられるかー」とばかりに、
女子は肌も露わな下着みたいな(あるいは「見せブラ」とか)服であったり。
先日などは佐賀県の武雄市では市長までもが短パンで登場したとき、私はちょっと気を失いそうになりました。

気を失いそうになったのは私だけではなく、武雄市の勇気ある市民が「いくらなんでも短パンはふしだらではないか」と、市役所に質問を投げかけ、それに対する答えがこれ。

 6月1日から、環境省のクールビズを一部上回る取り組みをいたしておりますが、「短パンOK」の表現にやや「ふしだら」なイメージを連想される向きがありましたことに対し、お詫びを申し上げます。

 実際に軽装をしている職員は、半ズボンにポロシャツ、あるいは武雄のPRを兼ねたレモングラスTシャツなどのスタイルで、少なくとも「ふしだら」な感じはいたしておりません。

 軽装に関しましては、「派手な服装やだらしない身なりにならないこと」を条件とし、何より、市民の皆様が不快な思いをなさらないよう十分注意するよう、指導をしているところです。

 ご指摘のとおり、公務員のマナーを保持し、心のこもった丁寧な接遇ができるよう、今後とも努力してまいりますので、今回のクールビズの取り組みについて、どうかご理解をいただきますようお願いいたします。

 ご意見、ありがとうございました。

担当部署:政策部総務課人事係
担当者名:水町
TEL:0954-23-9315 FAX:0954-23-3816
E-mail:soumu@city.takeo.lg.jp


まあ、暑いときには涼しい服装がよいのでしょうけれど、
TPOというものがいつからなくなってしまったのでしょう?

そもそもTPOって言葉を知らない人のために書いておくと、

Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合。Opportunityと使われることもある)の頭文字をとって、「時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け」を意味する和製英語。この概念の発案者は「VAN」ブランドの創始者・石津謙介氏。(Wikipedia)

とき、ところ、場合、そして、相手、状況を考え、
どんな服装をすべきか、ということは、マナーであるというか、常識である、と長いこと、考えてこられていたのだけれど、ここへきて、そんなことをまったく考えない人たちが社会の中心になってきたわけです。

私がさらに驚いたことは、
フランス料理のレストランで開かれたパーティに、ジーンズで参加したベンチャー社長(男性)がいて、「いくらカジュアルな会とはいえ、フレンチにジーンズはマナー違反でしょう」と申し上げたところ、「僕はいつも、どこへ行ってもジーンズだから」と言うんですね。

それが当然、という人が増えてくれば、それがスタンダードになっていくのですが、
それでいいの?という考えも、知ってほしいと思います。


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