今まで行った都道府県、どこが1番よかった? ブログネタ:今まで行った都道府県、どこが1番よかった?




鎌倉駅前に「扉」という喫茶店があります。
鳩サブレーで有名な、豊島屋というお菓子屋さんが経営していますが、
50周年記念のときに発行した冊子を、昨日読みました。

「扉」という名前は、俳人の久保田万太郎さんがつけたのだそうです。

帝国ホテルのようなサービスと味を提供するようにと久保田さんはおっしゃって、
「客が店を育てる」と言い、鎌倉の文化人、知識人、作家などを次々と呼ばれたのだそうです。
お客様のなかには皇族の方もいらしたというエピソードも。

喫茶店というのが「いかがわしい場所」というイメージだった時代に、
エレガントで、ハイソサエティな人たちが集う場所として生まれた「扉」は、
まさに、「鎌倉」を象徴するようにも思われます。

育ちがよく、人やものを観る目がある真の「文化人」が数多く住んでいた町、鎌倉は、
単なる「観光地」というよりも、やんごとなき方々がいらっしゃる避暑地である葉山と肩を並べる、歴史と文化ある高級住宅地だったんですね。

本物のピカソの絵を「店に飾りなさい」とさりげなく持ってきた方とのやりとりや、
自宅で銘のあるお茶碗でお茶をたててもてなしてくれた常連客の話のほか、
小粋で、上品な、鎌倉人たちの様子がよくわかるエピソードが満載の本でした。


私は、47都道府県のうち、佐賀県と鳥取県以外はすべて行ったことがあります。
(といっても、短時間だったり、ショートステイだったりするところも多いのですが)
そのなかで、「あそこがいい」とか「ここがいい」と思うところはたくさんあるのですが、
「ベスト」をあげるとしたら、やはり鎌倉だな、と、この「扉」の本を読んで思いました。
鎌倉に生まれてよかった、と、ちょっと誇りに思える1冊でした。
非売品であるのがもったいない。
鎌倉春秋社が印刷しています。

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