毎日新聞の記事から、転載。


仕事一途で家庭を顧みずにきた団塊世代のモーレツ社員(死語)のおじさまたちの叫びが聞こえてきそう。


若手の亭主も「鬼嫁」だのなんだのと、妻には頭があがらない時代に・・・


それにしても、シャレと笑えない「亭主関白道」

男のプライドとメンツとは、所詮この程度のものなのか・・・


以下、毎日新聞記事より

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◇「平和主義」掲げ、熟年離婚回避へ


 「全国亭主関白協会」(全亭協)が福岡県久留米市にある。関東や岡山にも支部があるが、会員は29人。女性団体が聞けば目をむくような名前は、実は「関白といえど、天皇(妻)にはかなわない」が前提で、夫婦げんかを円満に回避するための心と技を競いあう平和主義の男たちの集まりだ。最近、会員増加に力を入れていると聞き、たずねると、意外にも「夫婦関係の2007年問題」に行き当たった。【竹花周】


 ■目標は100万人
 「会員の要望でこんなのを作ってみました」
 久留米市中心部のビルの6階。全亭協事務局で、会長の情報誌プロデューサー、天野周一さん(53)は名刺大の会員証を示した。表には、会員の氏名と会が独自に認定する「亭主関白道」の段位が記されている。これまでは、段位認定証が会員証代わりだったが「大き過ぎて、飲み屋で見せびらかすこともできない」と不満が続出していた。天野さんは「会員証だけでなく、メディアへの露出も、今年は積極的にしたいと思ってます。目標は100万人。本気です」。
 入会すると、妻とのエピソードをもとに関白道の段位が認定される。公式認定基準は表1の通りだが、実は“ウラ基準”(表2)がある。基準を見比べれば、会員の気の弱さが透けて見えるようだが、これを今はやりの「偽装」と見るかどうかは読者の判断次第。現会員の最高段位は八段という。


 ■隠されたエピソード
 会の設立は99年。天野さんがプロデュースしている地元の月刊女性情報誌で始めた同名コラムがきっかけ。東京での出版社勤務を経て久留米に戻ったのが94年。仕事に打ちこむあまり家庭を顧みずにいたが、98年に妻のうつ症状に気付く。
 「妻は夫しか頼る相手がいないのに、自分は妻を見ていなかった」。当初は妻の気持ちが理解できず、妻を責めることもあったが、やがて会話が不足していたことを悟る。その反省から「ユーモアに託して夫婦の会話を取り戻そう」と始めたコラムだった。


 ■2007年問題
 会員増に乗り出したのにもわけがある。熟年離婚の増加に加えて、団塊の世代が大量に退職する「07年問題」は、同時に妻から三くだり半を突きつけられるケースの急増につながりかねない、というのだ。天野さんは「全亭協こそ、熟年離婚を防ぐ唯一の手段だ」と力説する。
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 ◇あなたは何段?


 ◆「亭主関白道」段位認定基準◆<表1>
初段 買い物に同行し、荷物を持つことを断れる
二段 ゴミ出し、風呂掃除などを断ることができる
三段 意見が割れても自分の意見を通すことができる
四段 隣がピアノを買ったとき、うちはピアニカでいいとキッパリ言える
五段 女房や息子を正座させて説教したことがある
六段 女房のほおを平手打ちしたことがある……おおコワ
七段 女房と外で待ち合わせをして、2時間以上待たせて、なおかつ文句を言わせない
八段 気にくわないことがあったら、おかずなどが載ったちゃぶ台をひっくり返せる
九段 けんかをしたとき、間髪を入れずに、心の中でなく、声に出して「出ていけー!」と言える
十段 女房に「あなたのような亭主関白は見たことも聞いたこともありません」とお墨付きをもらっている(女房の署名が必要)
 ▲公式認定基準


 ウラ認定基準▼
 ◆新!亭主関白道段位認定基準◆<表2>
初段 3年以上たって「妻を愛している」
二段 家事手伝いが上手
三段 浮気をしたことがないか、ばれていない
四段 レディーファーストを実践している
五段 愛妻と手をつないで散歩ができる
六段 愛妻の話を真剣に聞くことができる
七段 嫁姑問題を一夜で解決できる
八段 「ありがとう」をためらわずに言える
九段 「ごめんなさい」を恐れずに言える
十段 「愛してる」を照れずに言える
 ※この認定基準は門外不出とする

毎日新聞 九州版 3月28日朝刊より