「渋谷女性起業塾」という勉強会を開催している。
 先日は私が講師で、企画の創り方、アイデアの出し方、整理の仕方などをレクチャーしたあと、参加者それぞれがやりたいことを実現するために、自分のビジネスをブランド化するための手法などのワークショップを実施した。

 詳細はさておき、この日のメインテーマは「出産はキャリアアップにつながる」ということ。
 妊娠・出産はもとより、現在独身である私にはわかりかねる世界ではあるが、わからない世界だからこそおもしろい。
 子育て経験のある女性起業家の方たちの自信ある生き方が、夫よりもむしろ子育てに学ぶことが多いという。
 子どもと対峙することや、同じ体験(妊娠・出産・子育て)を共有する女性たちとの関係がなければわからないことも多く、それらが仕事をするうえでもやくだっているという。

 しかし、仕事をしていると「食事をしながら打ち合わせ」という機会も少なくないが、子どもが小さい間はビジネス・ディナーが減るというところから、「外食」についての話題が盛り上がる。

「外食したらしたで家族に悪い気持ちがするし、断ったら断ったで仕事のチャンスを逸した気持ちになってしまう」
 なかには「ご馳走してもらえるなら外食接待大歓迎!」という女性(主婦)もいるけれど、「でもやっぱり、小さな子どもがいると、子どものことはいつも考えるわね」という。 
 
 女性の場合、外であまり豪華な食事をすると、「自分が嬉しいというよりも、家族のことを考えてしまい、申し訳なくなることがある」という人が多いのではないか、という意見。
 たぶん男性は外で何を食べようが(ときには何をしようが)、家族がどんなつましい生活をしているであろうとか、妻がひたすら夫の帰宅を待っているとか、そんなことを考えないであろうに、なぜ女性は常に夫や家族を思い煩うのだろう、とも。

「家に居ると1日中食事のことばかり考えているよね」と、専業主婦経験がある女性が言ったが、私にも経験がある。(父が他界したあと実家に1週間ほどいたときは、賄い三昧の日々を過ごした)
「朝ご飯食べながら『お昼は何食べよう』とか『夜は何作ろう』とか、考えてるんだよね」
「そうそう。その合間に掃除して、洗濯して、干して、たたんで、アイロンかけて・・・。子どもがいるともっとたいへん」
「そうやって、必死になって食事のしたくして待ってるのに、(夫が)帰ってこないと、頭くるよね」
「やらなくてもいいけど、やらないと手を抜いてるみたいな気になっちゃうんだよね」

「1週間分の料理をまとめて作ってストックしておく」とか、「仕事中は気分を切り替える」「子どものケアは親に頼み、頼んだら信頼してまかせる」といった「お母さんチャンネル」と「お仕事チャンネル」の切り替えスイッチをつけることなど、24時間ワークタイムであるたいへんさと、それを乗り切る方法などを話しあったが、講師の私のほうが学ぶことが多かったが、結局のところ、ワーキング・ウーマンたちは「自分で自分に100点満点」満足できることはないという結論。

「何をやっても、やらなくても、どこかに後ろめたさがついてまわるのはなぜだろうね?」

 確かに、私はといえば、ひとりで好きなことを好きな形でやっていて、それはそれでシアワセだけれど、やはりどこか「後ろめたい」
 母や祖母に孫を見せてやれなかったとか、マトモな家庭生活ができていないとか、なんとなく「申し訳ない」気持ちになる。
 でも、友人たちに言わせると、子どもがいても、家族があっても、違う意味でどこか「申し訳ない」のだという。

 それをどう解決するか、ということではなくて、「それが女性である」と割り切りつつ。

 結局は「能天気なオトコって羨ましいよねえ」というエンディングでありました<オトコだって悩んでるんだよ、というツッコミもあるでしょうけど。