拙書「起業家」発売から、1か月経ちました。

初版3万部でスタートし、おかげさまで
現在8万部まで売れています。

先週、とある出版社の有名な編集長と

食事をしていたら、

「評価の割れる本は、絶対良い本なんだ」

と教えて頂きました。
Amazonのレビュー を見ると、起業家の

評価が割れているからです。

酷いレビューもあるので、もしかしたら

慰めてくれたのかも知れませんが、

自分の手ごたえとしては、「起業家」という

私の本自体に熱狂してくれる人も多く、
出版して本当に良かったと思っています。

特に、社員の本を読んだ人からは、

仕事に対するやる気があがって、

愛社精神も高まったと感じたし、

多くの起業家からは、共感したとか

奮い立ったと言ってもらいました。

でもそういった感想を聞くこと自体が、

最初は不思議な感覚でした。

この本は、誰かをやる気にさせようとか、

会社のイメージをよくしようとか、

自分の経験を伝えようとか、

そういった意図は一切なかったからです。

先日日経の記者から本に関する
インタビューを受けていて、

「この本は誰に向かって書いたのですか?」

と聞かれ、自分でもハッと気がついた
のですが、我ながら、誰に向かっても
書いていなかったのです。

4日間まるまる山奥の別荘にこもって

最初から最後まで通して書き上げた

のですが、ひたすら自分の内面と
向きあって書きあげました。

これは記者の方に言われて気づいた

ことですが、メディア事業を立ち上げ

迷走していた時期に、自分の中で

区切りを付けたかったのだと思います。

そういう書き方をした本だから、

ふと顔をあげて、本を読んだ人から

感想を聞いて不思議な気持ちに

なったのだと思います。

冒頭の、「評価の割れる本は良い本
という編集長の意見は、

誰かの価値観に合わせようとか、

批判を避けようとかしないで、
当たり障りのある本に仕上がって
いるという意味と私は受け取りました。

いろんな意見はありますが、

自分では読む価値のある本が出せた

と誇りをもっています。



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