インターネットのメディア事業においては、

媒体愛」を持って働いているかどうかで

仕事の質が大きく変わります。
たまにソーシャル上で、Amebaに対する

媒体愛を感じる発言をしている社員を見ると

私は無条件で褒めたくなります。

ウェブサイトは、

それで生計を立てているような人が、

毎日集中して、一人で運営しているとき

細部にまで目が行き届き、血が通っていて
気の利いたサイトになります。
楽天に出店して繁盛している店舗など

分かりやすい例です。

それが
一人では運営できない規模になった時、

更に大規模なサイトを大人数で運営するとき、

如何にそれと同じ状態をキープできるか
が肝だと思ってます。
運営している組織が大きくなっても、

ユーザーにとってはひとつのサービスで
あることに変わりありません。

私はそれを強く意識してメディア組織を

作ってきました。


インターネットのメディアは、

スタート時に勝負が決まるのではなく、

スタートした後の運用次第で勝負
決まります
。運用とは、大きく分けて、

1.改善

2.新機能追加

この2つが大きいのですが、2つとも

同じくらい重要です。

大企業に買収されて成長が止まった
Myspaceなどのサービスを例にとっても、

運用の手を止めたら終わりです。


日々改善し続けるネットサービスが

廃れる可能性は非常に低く、

見た目には分かりにくいのですが、

改善はそれ自体が成長の主要因
となります。

しかし改善の積み重ねは地味であり、

少しでも良くしたいという、

理屈を超えた強い媒体愛がなければ
続けられません。

また、新機能の追加で劇的に改善
することもあれば、

運営側の判断で良かれと思っても、

現ユーザーに対して反感を買う

リスクも伴います。

それでも新機能に次々挑戦して、

もしダメだった場合、全力で回復を

目指すというような仕事の仕方も、

媒体愛がなければできません。
どうなってもいいや、という無責任な

気持ちはユーザーに伝わるからです。

今のAmebaの事業部の社員の多くは
本当にAmebaに対する媒体愛が強く、

それが何年も継続した成長を支えている
と自負しています。

では逆の場合はどうなるかというと、

細かな改善や不具合に気付いても

目立たない仕事なので放置する。

もしくは細部を見てないので気付かない。
新しい機能を追加して失敗したら

自分の責任になるので回避する。

そんな状態は停滞、衰退の始まりです。

Aembaは私自身が自分で使い倒して

細かいところに拘って見せることで

みんなを意識付けてきましたが、

さらに規模が大きくなっていくに従い、

上(上層部)から見てればますます
細かいところに目が届かなくなります。

「ウェブサービスを一人で運営している
のと同じ状態を、どれだけ組織が
大きくなってもキープする」
そんなメディア運営を目指すことを
マネジメントが忘れないよう

気をつけていきたいと思います。