週末に羽生善治さんの「大局観」を読んで
twitterで短文にしてまとめたら好評だった。
うちの内定者がその一連のつぶやきを
まとめてくれました。
http://togetter.com/li/148227

この本は非常に勉強になったのですが、
その中でも私が深く印象に残ったのは、
経験を積んでからのリスクのとり方について。


1.若いうちは、恐いもの知らずで
リスクの見極め方も分からず、
大胆に大きなリスクをとっているうちに、
良い流れや勢いを作ることができる。

2.しかし、経験を積むに従って、
リスクの重大さや深刻さに気づき、
守るものも増えると冒険を避けるようになる。

3.しかし、リスクを取らなければリターンを
望めないばかりか、
既存の成功パターンを続けているだけでも
時間とともに劣化する危険な状態にある。


1~3で思考パターンの末、経験を積んだ後に
若い頃のような大胆な状態に戻ろうとする人が
いるけど、それは極めて難しい。
現実のリスクと真正面から向き合って、
恐怖や不安に打ち克つことが王道
であると
羽生さんは言ってます。

その他にも、経験を積んで多くのことを知れば、
決断に時間がかかる
上記と同様、思い切った決断や、早い決断を
していた若い頃に戻ろうとする人がいるが、
様々な情報や選択肢が増えた後ではそれも難しい。
膨大な思考から思慮深く結論を導きだすことが、
長期的には結果に繋がる。
決断の速さが良いとは限らない
感覚を研ぎ澄まして、さっさと決めていくのが
楽で、そっちに逃げている時は要注意だと思いました。


この本の冒頭に、羽生さんが十四歳年下の棋士に、
史上初の3連勝のあとに4連敗してタイトルを逃した
話が出てきます。
それがこの本の誕生のきっかけになったようです。

今ちょうど行われている名人戦ではそれとは真逆の、
3連敗した後に、羽生さんが3連勝 している状態で、
今週末、最終戦が行われます。
楽しみです。


本の話ついでで申し訳ないですが、
「憂鬱じゃなければ仕事じゃない」
が本日発売になりました。

半分著者なのでお勧めも恐縮なのですが、
自分でも読みやすいし面白いと思います。

羽生さんの本の話にも少し触れてます。

憂鬱でなければ、仕事じゃない/見城 徹
¥1,365
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