当社の取締役会は毎週木曜日2時間フルに

会議をしていますが、
スタッフの事前準備がとても優秀なおかげで

毎週この会議は非常に充実しています。

ところが最近、なんだか少し違和感を
感じていたのですが、
先日、複数社の社外取締役を努めている方と

会食をしている時に、

「執行を兼務している役員は社長に萎縮しちゃって

取締役として機能してないよ」


という言葉を聞いて、
あっさりその違和感の正体が解りました。


1.
まず大前提として、経営と執行は分離すべきです。

取締役が執行を兼ねているのは、

サッカーで言えば試合で全力疾走している人が
監督を兼務しているようなもので、

冷静で的確な判断はできません。

取締役は経営監督機能を担っていて、
第3者の立場から的確にかつ客観的に

全体を見渡し、

企業価値を向上させるような意思決定をし、
問題が起きたら適切に対処しなければなりません。

執行の立場から取締役会で話しをすると

自分の部署の思い入れや遠慮など

特別な感情が入り混じってしまい、

第3者では居れなくなってしまいます。




2.
ふたつめに、当社の取締役には

ラインの長(執行)を兼任することを強く奨励

しています。

何故なら取締役の年齢がまだ若く、経験不足のため、

日常的な現場のプレッシャーから外れて
監督側に回ると、時間的な余裕も生まれ、

成長が止まってしまうからです。

成長が止まれば現場の成長株に追い抜かれ、
気がつけば実力が逆転している人に監督されている

状態になりかねません。
当社の場合、取締役メンバーの成長鈍化はそのまま

会社の成長鈍化か衰退につながると思ってます。

当社独特の事情ですが、この考えは過去の
たくさんの経験から自信があり、譲れません。



当たり前の話なのですが、1と2は相反しています。
しかし最近、特に2に力を入れていたために、
バランスを欠いたのだと思います。

解決策としては、取締役全員が
ふたつの顔を使い分けて仕事をするしかなく、
改めてそのことを皆が意識しなくてはいけません。

私は自分がラインの長を兼務するアメーバ事業の話は

取締役会ではほとんど無意識に自分の口から

話さないようにしていますが、

取締役(経営)の仕事には普段の執行の仕事は
棚に上げて臨む
くらいでちょうど良いと思います。


直接役員会で言えば良さそうな話しですが、
この先何度も忘れては違和感を感じそうなので、

備忘録としてここに書いておきました。