サイバーエージェントが掲げる唯一のビジョンは、
「21世紀を代表する会社を創る」
ですが、採用活動をしていると何度も繰り返し、
「21世紀を代表する会社とは具体的にどのような会社でしょうか?」
と聞かれまして、毎回同じ答えを言っています。
「20世紀でいうソニーやホンダのような会社をイメージしてますが、
同じような会社を創りたい訳ではなくて、そのくらいの規模や
世界的な成功、社会的な影響力を持つ会社という意味です」
ビジョンが具体的でないのは意図的にそうしているから
なのですが、こういった質問には根気強く同じことを言い続ける
しかないです
社会や株主は経営者の先見の明を期待するかも知れませんが、
残念ながら少なくとも私は天才でも予言者でもありません。
そんな社長が進むべき道に具体的な確信を抱いてしまうのは、
逆に非常に危険だと思っています。
景気や競合状況、変化する顧客ニーズ、社内に潜む落とし穴など、
数限りない好機や脅威にいかにして柔軟に対応し、軌道修正を
繰り返していくかが、当社にとっては大切です。
目標を具体的にしてない理由はいくつかありますが、何より
経営の自由度や柔軟性をに失わないようにするためです。
それでも具体的な目標を要求してくる人はいますが、
社外の人ならまだしも、社内で働いているひとにとっては、、
目標が具体的になればなるほど、現場の権限は狭くなり、
自分たちのアイデアを活かす場は減ることを覚悟しなくてはなりません
当社のアメーバ事業に関しても、事業をはじめてから何度も、
「アメーバが将来目指す姿はなんですか?」
と聞かれ、明確に答えられず、一時期「ブログメディア」とか
「コミュニケーションポータル」とか名付けようかともしました。
しかし、
「改善と機能追加を繰り返し、形を変えながら成長していく。
そう、アメーバのように(←後付けですが.)」
と答えることにしています。
先週の金曜日にアメーバ総会で発表した目標は
「2015年までに”てっぺん獲るぞ!”」
という非常に漠然としたものだったのですが、
具体的に決めないこと自体が戦略だからこれでよいのです。
我々こんな規模ではまったく満足する気はないよ!
まだまだデカくするよ!
という方向性を全社員に伝えられただけでも良かったと思います。
↓表彰された皆さん
ただし、現場に近いレイヤーのマネジメントになればなるほど
具体的な目標設定は必要になってきます。
その理由についてはまたいずれ。