迎えにきてくれます。
車中は短時間ながらも大事なミーティング時間。
今朝は投資先企業の発掘を担当しているN君。
「で、どうなのその会社は?」
「すっごい調子いいみたいですよ」
「へぇ」
「大手との提携も決まったみたいですし」
「・・・」
「広告もたくさん受注しているみたいです」
「・・・」
と、よくある会話。
甘いな。(たぶん)
スタートしたばかりのベンチャー企業の経営者が
「調子がいい」という話には注意が必要。
何故なら起業家はほとんど皆、そう言わなければ
ならない状況に置かれているからです。
金も無い、人材もいない、市場もあるかわからない。
そんな無い無い尽くしのそもそも何も無い状況で、
それでも挑戦しているのがベンチャー企業。
揚げ足を取られないようにするだけでも皆必死です。
そんな苦しい内情を、「正直厳しいです」
いつも正直に話していたら・・・・?
「あの会社厳しいらしいよ・・」
噂は瞬く間に広がります。
就職する人がいなくなり採用できなくなります。
与信不安で取引先と売上が減少するでしょう。
株主や金融機関が資金を引き揚げたがります。
投資するにしても条件が悪くなります。
従業員も不安になりモチベーションが下がります。
レピュテーションリスク(評判や噂話などによる損害リスク)
が非常に大きいのがベンチャー企業なのです。
なのでスタートしたばかりの起業家は「調子どう?」
という質問に対して、反射的に否定的なことを言わないものです。
もちろん本当に良い会社もあるんですけどね。
それは結局、ベンチャーキャピタリスト自身が、
厳しい目で見極めなければなりません。