spモード。 | 【SHIBUYA-TIGER】
今朝の日経新聞では、ドコモ内でスマートフォンとiモードの組織統合を進めるという話があがっておりました。「iモードで培ったサービスやソフトの知見を生かし、競争力を強化する」狙いということですが、ことさらドコモにおいては(私もいっとき籍を置いたことがあるので感じるのですが)、組織自体の統合によりスマートフォンを取り込む動きが全体として一層明確になってくるのではないかと思います。実際、iモードの登場時期においても、ポケットベルとiモードの組織を一体化させたことで、ポケベルで形成されていた情報提供の仕組みやコンテンツがより生かされてiモードの普及が促進されたという経緯もあります。

個人的にはドコモのGaraxySを中核携帯電話(最も持ち歩く携帯端末)としていますが、現在ドコモはスマートフォン向けに「spモード」という「iモードのメール・決裁機能をスマートフォンでも使えるようにする」というだけの機能を、現在315円でオプションサービスとして提供しておりますが、スマートフォンではgoogle等々のメールや決裁機能が活用しやすいこともあり、わざわざ有料で使用するのがもったいないサービスという印象を与えており、かつ店頭でも強くオススメされないのが現状です。
しかしながら、iモードメールアドレスや決裁を通じた個人情報やユーザのつながりこそが、今のところドコモが既に持つ、アップルやgoogleに対抗しうる、最も強大なリソースであると思われるので、実はこれからドコモが、iモードの前例を見倣うことなく、spモードを無償ないしは無償に見える販売方法で提供する、また店頭を含めて全社的にspモードを含めた契約を取りにいくという姿勢になると、ドコモユーザのスマートフォン化も加速し、かつドコモとしてのユーザの量もてっとりばやく維持できるのではないかと考えます。そのため、spモードのありようは、今後のドコモを方向付け、日本のスマートフォン対応の早さを左右することになるのではないかと思っています。

そもそも、spモードという名前自体、iモードの登場感にあったようなワクワク感もなく、かつ一見意味が不明(一般ユーザは、spがスマートフォンの略であることを直感的には感じない)という、全く戦略性の感じられないサービス名称であると思われるので、いっそのこと、spモードも「iモード」という商標にすばやく統一するべきだとも思います。

いずれにしても、夏野さんの「iPhone vs Android」にもあったように、決して現状でiPhoneとAndoroidが真っ向から競合しているというような状況は客観的に見て薄く、むしろ、アップルやグーグルが国内でドコモの既存価値の牙城を凄まじい速度で別々の方向から切り崩しにかかっているということなので、まさしくそれを受ける今後の1年のキャリア動向からは今まで以上に目が離せません。


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