サンプレックスのフォーク式変速機

の付いた自転車のクランク周りを整備しました。

一番の問題点はここ。

コッターピンが深く刺さり過ぎでナットのネジが底付きしています。そこにワッシャーを3枚噛まして何とか締め付けていました(ワッシャー3枚には他にも困った理由が有り、コッターピンのネジとナットが規格違いで途中までしかねじ込めないので、ワッシャーでナットを浮かせた状態にして締付していた)。

 

そこでコッターピンが掛かる溝が浅いBBシャフトへ交換して、コッターピンが正規の状態にかしまる様にします。

上が現行のシャフト。BBワンと比べて新しいものなので交換された物と思います。長さもダブル用でチェーンラインの問題も有りました。

下は当店在庫のフランス規格のシングル用コッタードBBシャフト。こんな規格の物は絶対に使う事は無いだろうと思っていましたが、なんと出番がやってきました!

 

因みにフランス規格とイギリス規格(=JIS)の違いは

BBシャフト径 フレンチΦ16 イギリスΦ15.8

コッターピン径 フレンチΦ9.0 イギリスΦ9.5

 

在庫のシャフトはパイプを押しつぶしてコッターピンの凹みを成形していると言う軽量品です。

この自転車は競技用車両なので(サンプレックスのセレクションはレース用の変速機との事)軽量部品が似合うと思います。

しかし、刺さりが浅くて強度的に問題有です。

手持ちのフレンチコッターピンを入れて見た所、

こちらは深く刺さり過ぎ。

 

仕方が無いので現行のコッターピンを削りました。

写真上から、加工前、加工後、手持ちの刺さり過ぎ品。

 

削り品の刺さり具合

良い感じです。

叩き込んで

ナットを締めた状態

ナットからのネジの出も許容範囲内でしょう。

 

先にも書いたワッシャー三枚の件

フレンチコッターピンはM7X1.0ネジですが(M6X1.0の物も有る)、この自転車は規格不明のナットが無理やりネジ込まれていて、途中でねじ込めなくなってワッシャー3枚で浮かせて締め付けている。笑点の座布団3枚じゃないんだから「不適切にもほどがある」(怒)・・・笑

と言う事でM7ナットの在庫が無いのでタップ立てで暫定対応しました(後日M7ナットに交換の予定)。

 

追記

M7X1.0ナットを購入しましたがねじ込めませんでした。

コッターピンネジ部太さの実測値がΦ7.0mmなのでM7では無い様です。M7ネジの実測値は外径Φ6.8位でした。

20個も購入してしまったM7ネジと国産コッターピン。国産コッターピンはインチネジかなと思いましたがM7とM6に二種類でした。上の写真のコッターピンは国産用です(上がM7、下がM6)。

購入したM7ナットがガタ無くねじ込めたのでM7で間違いないようです。

インチネジを調べた所では外径が7mm前後のインチネジは無いようです。メートルネジではM7.5が有りますがピッチが0.5mmとの事。

昔は外径Φ7.0でピッチが1.0mm位のネジ規格が有ったのでしょうか?

今回は取り敢えずM7X1.0タップ掛けナットで問題無く使えているのでそのままにします。

 

 

副産物的にチェーンラインも正規に成りました。

この自転車のチェーンラインは44mmなのですが、ダブル用のBBシャフトだったのでチェーンリングは52mmの位置に有りました。シングルシャフトに交換後は45mmに成りました。

チェーンラインが正規になったことでクランクとテンションプーリーの隙間も余裕が出ました。

 

ダブルシャフト時

クランクと当りそうでした(テンションプーリーのアームが斜めに成るので正規の位置とずれる?)

 

テンションプリ―取り付けブラケットの回り止めネジ(青丸内)も無かったので適当な物を追加してプーリーとクランクが当たらない様にしました(後日マイナス頭のビスに交換の予定)。

 

それにしても手が掛かる自転車です。オーナーに確認はしていないのですが購入時にメンテナンス済み(BB等はグリスUPしてあった)と言う事じゃなかったのかな?