前回ハブコーンレンチの厚さについて取り上げた際にパークツール製をディスってしまったので少しだけフォローしておきます。

 

一般車(シティーサイクル)は後輪のハブにブレーキが付いています。

ブレーキドラムはハブにねじ込まれているのですが、ブレーキ本体はハブシャフトにナット締めに成っています(ローラー、バンド、サーボの各種とも同じ構造)。

上の写真の赤丸内がブレーキ取付ナット。

ここの構造はハブベアリングのオーバーロックナットの上からブレーキ本体が被さり、その上をこのナットで締めています。

と言う事は車輪取付けの為のハブナット(フレームの外側から締め付けるなっと)をきちんと締めても、このブレーキ取り付けナット締付が甘くて動いてしまうとハブナットも緩んで最悪の場合は車輪が脱落します。

なのでこのブレーキ取付ナットはきちんと締めておく必要が有ります。

 

その時にハブコーンレンチが活躍します。

フレームとの狭い隙間に差し込んでブレーキ取付ナットを締めるにはハブコーンレンチが最適です。

この作業は結構ラフな工具の扱いに成る事が多いのですが、パークツール製はちょっと厚めの安心感で気兼ねなくガンガン締め付けが出来ます。

タイヤやチューブの交換で車輪を外した際は必須の作業なので一日に3~4回使う事も有ります。

チェーンを触った汚い手で扱うので当店のパークツール製ハブコーンレンチ17mmはこんなに汚れてしまっていますが、5年の酷使にもへこたれず問題なく使えています。

 

所で、ここまで読んで「車輪を外すなら、外した状態で締めてしまえば普通のメガネレンチが使えるのでは?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

それは正解なのですが、内装変速機付きハブの場合は断面が小判型のシャフトをカット面が縦になるように組付けなければなりません。

上の写真のスタンドの長孔にはまっているごついワッシャーで向きを規制しています。

しかし、ブレーキの向きもシャフトが縦になったときにチェーンステーへの固定ネジ位置がぴったり合っていなければならず、それは車輪をフレームに組付けた状態でなければ絶対に合わせられません。

なので、フレームとブレーキの間の狭い隙間へハブコーンレンチを差し込む必要が有るのです。

(変速無しと外装変速車は車輪を外した状態でブレーキを締めても大丈夫なのですが、一連の作業の流れでどのタイプも車輪を取り付けてから締める作業をしています)

 

言葉で説明するととても分かり辛いですね。

簡単にまとめると

1,シティーサイクル後輪のブレーキ取り付けナットはきちんと締め付けなければ危険。

2,パークツールのハブコーンレンチはラフな作業にへこたれず使える。

という感じでしょうか・・・。