お預かりしていたトーエイランドナーのオーバーホール(レストア?)が漸く完成しました。

オーナーの方から「急がないのでゆっくりやって下さい」と言われたのを良い事にのんびり作業していたらあっという間に二か月が経ってしまいました。

 

お預かりした際の全体写真。

こうしてみるとそれほど悪くない様に見えますが、細かく見て行くとかなりくたびれていました。

 

鉄部品には赤錆、アルミは曇り・斑点状の腐食、フレーム塗装も傷・曇り等々

フレームは金線引きも入っているので当初は再塗装を考えましたが、よく見ると金線引きの上からクリア塗装が掛かっているので、コンパウンドで磨けば艶が復活すると思い、費用を抑える意味からも再塗装は止めました。

 

特に鉄部の錆がかなり進んでいます。錆落としで復活しない部品は最低限の範囲で再メッキに出しました。

 

完成状態

交換した部品は、タイヤ、チェーン、全てのワイヤー類、スポーク1本、バーテープ、ブレーキレバーフード、フロントランプ、ペダルベアリングの玉、ブレーキ取り付け部のワッシャー、です。

フレームの塗装もかなり艶が戻り良い感じになりました(再塗装しなかったのは正解でした)。

 

ブレーキレバーはユニバーサル製でレバーフードは完全に溶け落ちていた( ゚Д゚)・・・ので現行品のダイアコンペ144.7を加工して代用。黒キャップもダイアコンペのデッドストック品を流用。

バーテープは藤田製です(VIVA製よりも織り目が細かいのですが残念ながらもう生産されていません)。

 

クイックレバーのハウジングは再メッキしました。

 

FD、ペダル、クランクは磨きで対応。チェンリングの5ピンは再メッキ。クランクキャップは再メッキすると刻印が薄くなるので磨きに留めましたが錆が残っています。

トーストラップも清掃してからサドルオイルを塗って再使用しました。

 

ブレーキの取付ボルト、ワイヤー止ボルト、ギロチンボルトは再メッキ。取り付け部のデルリンワッシャーは割れていたのでグランボアの真鍮製へ交換。

ダイナモはソービッツの12Nから同じソービッツの型番不明の小型の物へ交換。

 

RDはユーレーのサクセスⅡ型。取り付けボルト部の蓋は無くなっており、スペアパーツも無い事からせめてもと思い六角穴にユーレーマークのキャップを嵌めました。

チェーンはシマノのCN-HG40へ交換、スプロケットは分解して磨いたところ綺麗になりました。

 

以上の様な感じですが、サイクリング車として実用を重視してフレームの再塗装をせずに全体のバランスを考えて纏めました。費用的にもかなり安価に上がった方だと思います。