会長 星野敬太郎さん × 事務局長 飯塚欣彦さん 対談をレポート!! | 渋川子ども若者未来創造プロジェクト(渋ミュ)

渋川子ども若者未来創造プロジェクト(渋ミュ)

群馬県渋川市を舞台とするオリジナルミュージカル(渋ミュ)の公演に至るまでを紹介するブログです

「渋川子ども若者未来創造プロジェクト」を立ち上げた経緯や、ふるさと渋川への思い、なぜミュージカルなのか、ふたりに語ってもらいました!!

 

子どもたちのために「やってんべぇ」

 

■地域をもっと元気にしたい

―立ち上げたきっかけは

 

飯塚 星野さんも私も文化振興や生涯学習に長く関わる中で、「いつか一緒におもしろいこと

   をやりたいね」といつも話していました。

 

   そんな中、直接のきっかけとなったことが、2つあります。1つは、娘の(飯塚)朋子

   (ダンス振付担当)が、ミュージカル劇団「もんもちプロジェクト」の中原和樹さんと

   知り合ったこと。復興支援で福島の子どもたちとミュージカル『ライオンキング』を上

   演したのですが、2日間のワークショップで地域の人たちとともに創り上げていく過程

   を間近にし、「ミュージカルって、すごい!地元の渋川でもやれないかな」と話してい

   ました。


   もう1つは、「渋川の人口が2045年には4割減になる」という新聞記事です。危機感

   を感じ、「何かできないか」と模索し始めたころ、渋川市が「提案型市民協働事業」を

   募集していることを知りました。星野さんに相談したら、「やってんべぇ」となり、

   動き出しました。

 

 

星野 特にこの赤城地区は少子高齢化の波をまともに受けていますから。何とか地域が元気に

   なる一つのきっかけになれないか、と思っています。なんやかんや言って、子どもたち

   に関わる事業展開でないと上手くいかない、というのが根底にありますね。

 

会長・星野敬太郎さん

 

■ミュージカルは総合舞台芸術

―なぜ、ミュージカルなのでしょうか?

 

飯塚 ミュージカルは総合舞台芸術だと思うんですよね。セリフがある役者だけでなく、舞台

   を支える裏方も大事。歌や踊り、大道具・小道具が得意な人も必要。ミュージカルは、

   とにかくいろんな人が関わることができると思います。

 

   そこで、劇団「もんもちプロジェクト」と連携し、渋川を舞台にしたオリジナルミュー

   ジカルを制作し、劇団のメンバーと地域住民がワークショップを行い交流しながら、舞

   台公演を目指す。その準備を通して渋川の魅力を市内外に発信する。そうすることで、

   自分たちのふるさとを考えるきっかけにしたいと思いました。

 

 

星野 たまげたのは、出演者や裏方スタッフを募集したら、「おもしろそう!」と、たくさん

   集まってきてくれたことだいね(笑)。なかには、回覧板を見て、申し込んだ人もいて、

   びっくりしましたよ!

 

 

飯塚 そうそう。小学3年生から70代まで集まりました。なかでも20代、30代前半のアラサ

   ー世代が多くて驚きましたよ!

 

■劇団員と地域住民の交流の場に

―「若者の交流人口を増やす」という目的もありますね

 

飯塚 月2回、ワークショップを行いながら上演に向かっていくわけですが、劇団員は東京か

   ら行き来して終わりではなく、滞在して地域住民と交流を深めていきます。空き家を一

   軒提供してくれた方もいるし、「渋川の豊かな食文化を味わってもらいたい」と「まか

   ない班」が炊き出しを行っているのも特徴ですね。

 

 

星野 この地域は「おもてなし」の気持ちが強いですから。2001年に群馬県で開かれた国民

   文化祭では、地元のお母さんたちが協力してくれました。今回は、ありがたいことに

   JAさんがボランティアで「まかない班」として協力してくれています。

   「渋川の農産物を知ってもらう良い機会になる」と喜んでくれています。

 

 

飯塚 まかないだけでなく、JAの職員さんから出演者も裏方スタッフも出ています。今後、

   山の風景や家の様子など大道具・小道具も創っていきますが、劇団の指導は受けるけれ

   ど、基本は地元で創っていく。渋川市へのプレゼンでも訴えたのは、できあがったもの

   を持ってきて公演するのではなく、地元のオリジナルで一から創る。そこに魅力がある

   のだと思います。

 

事務局長・飯塚欣彦さん

■協力者が波紋のように広がって

―公演に向けて盛り上がってきました!

 

星野 新聞などで取り上げてもらううち、「協力したい」という人が増えています。地元の若

   者である「赤城VYS」のメンバーは裏方を引き受けてくれています。みんな熱心で何

   かのきっかけを待っていたという感じがしますね。

 

飯塚 これも、星野さんが長年にわたって築いてきた地盤があるから動き出せたのだと思いま

   す。このプロジェクトで大事にしているのは、「やってみせる」ということ。当面は3

   月の公演に向けてですが、渋川の魅力を未来に向けて発信していきたいと思います。

 

星野 若者や子どもたちが夢を持てるような地域を創っていかなければならない。おおか急激

   ではないけれど、ゆるやかに。いろんな事業展開をする中で何かを見つけていきたい。

   それが、われわれ団塊世代の責任だよね。

 

飯塚 私はその次の世代だけどね(笑)。ワークショップを重ねるうちにみんなの表情がどん

   どん変わり、一体感、高揚感が高まり、ワクワクしています。今後もさまざまな面で市

   民参加をお願いしたいと思いますので、ぜひ、ご注目いただければありがたいです。

 

飯塚・星野 よろしくお願いいたします!

 

対談を終えてツーショットでパシャリ!

 

お二人のプロジェクトにかける熱い想いと郷里への深い愛情を感じ、ますます稽古にも力が入

りますね!

よし、我々もやってんべぇ!!

 

 

◼︎プロフィール

•星野 敬太郎(ほしの・けいたろう)

•1949年、渋川市(旧赤城村)生まれ。赤城村、渋川市の職員として長年、社会教育など地方行政に携わる一方、地元「上三原田歌舞伎舞台」の舞台操作伝承委員会を立ち上げ、20年ぶりに歌舞伎公演を復活させた。2001年、国民文化祭で地元事務局として歌舞伎を上演。2007年、渋川市で開催された冬季国体を担当。退職後は、社会福祉法人西原会理事長に就任。現在は学童クラブ「かしの木」主宰

• 

•飯塚 欣彦(いいづか・よしひこ)

•1955年、渋川市生まれ。小・中学校の教員を経て、県教育委員会や県で長年、全国イベントや地域振興、文化振興に携わる。2001年、本県で開催された「第16回国民文化祭・ぐんま2001」で映画監督・小栗康平のもと開会式・閉会式を担当。その後、県地域創造課で県民との数々の協働事業を手掛ける。片品村教育委員長を経て、県少子化対策・青少年課長として青少年行政に従事。退職後も子ども・若者の自立支援で奔走する。