ユーラシア大陸の東端に位置する島国日本は、シベリア気団(シベリア付近に中心がある高気圧)と太平洋気団(太平洋上の高気圧)という2大勢力の高気圧のせめぎあいの場になります。


その2つの高気圧の境目』を春には『梅雨前線』と呼び、秋には『秋雨前線』と呼び、便宜上区別しています。


【32】 冬の天気」でも述べましたが、『梅雨前線』と『秋雨前線』は時期が異なるだけで性質上は同じものです。

https://ameblo.jp/shibui-shibuo/entry-11158740465.html


 

 

近年『前線』という言葉は、『サクラ前線』『モミジ前線』などとしても使われるようになりましたが、そもそも『前線』とは行軍する軍隊の進行方向の『最前線』の意味です。


停滞している『梅雨前線』と『秋雨前線』などの『停滞前線』にまで適用範囲を広げるなんて、「不適切にもほどがある!」とまでは言いませんが、やり過ぎのような気がします。


 

拮抗する2つ勢力の最前線が対峙して停滞することも無いとは言いませんが、気象庁はもっと適切な言葉を考えるべきではないでしょうか。


気象用語としての『〇〇前線』は死語とし、寒気団と暖気団の境目なので『気団境界線』とか『高気圧境界線』、あるいは明確に『暖気と寒気の境界線』としたらいかがでしょう。