日本の気象を大きく左右するのは、周囲にある『大陸の高気圧』と『太平洋高気圧』です。
高気圧と高気圧の境界は『前線』と呼ばれます。
なぜ『前線』と呼ばれるのかというと、それは昔の戦争の『最前線』から来ています。たとえば、『関ヶ原の戦い』で、東軍と西軍がにらみ合っている部分を『最前線』と言うのはご存じでしょう。
余談ですが、『前線』はありますが、『後線』はありません。
『前線』は、不連続線と呼ばれたり、また温暖前線、寒冷前線、停滞前線、閉塞前線などと分類されていますが、いずれも気象関係者以外ではほとんど使われないマニアックな言葉です。
『大陸の高気圧』と『太平洋高気圧』の境界の『前線』は、春には『梅雨前線』、秋には『秋雨前線』と呼ばれますが、同じものです。
冬には、冷たく乾いた『大陸の高気圧』と、暖かく湿った『太平洋高気圧』が広くぶつかり合って『前線』が形成されます。
2つの高気圧に挟まれた『前線』付近は、高気圧の中心付近より気圧が低いので、当然低気圧が発生しやすくなります。
発生した低気圧が太平洋方面に抜けると、冷たく乾いた西の『大陸の高気圧』と太平洋上の東の低気圧がペアで、『西高東低の冬型の気圧配置』と呼ばれます。
日本上空で低気圧が発達し、暖かく湿った空気や、冷たく乾いた空気を吸い込んで、局所的に荒れ模様の天候になることがあります。
冬の天候は、このほか上空の寒気団の流れや地球の自転による偏西風の影響を大きく受けています。
年によって、厳しい寒さになったり、暖冬になったりするのはそのためです。