私は、30代後半〜40代前半まで不妊治療をしていました。
それは、人工授精をしていた頃の話です。
人工受精は、超音波検査と尿検査で調べた排卵日に合わせ、夫の精子を持参して遠心分離機にかけ、元気な精子を抽出し、病院で注入します。
これを3〜5回チャレンジしても授からない場合、次の段階の体外受精へと治療が進みます。
そこの病院は京都では不妊治療で有名な病院です。
私の家からは車で50分くらいかかりますが、友人もそこで授かったので、頑張って通っていました。
その日も大勢の患者さんでいっぱいでした。
人工受精をする前に先生と少しお話して、何番のブースへと言われ、各ブースで服を脱いで椅子に座りウィーンと足が上がり、足が開いたまま待機です。
こちら側は仕切られていますが、股の向こう側は繋がっていて、先生や看護師さんが自由にあっち行ったり、こっち行ったりできます。
人工受精も、隣の人から順に入れられていくのが聞こえてきます。なんだか、流れ作業のようでとても屈辱的ですが仕方ありません。
入れられた後も、すぐに起き上がらず、そのまましばらく待つ流れです。
その日、先生とお話ししていると、看護師に呼ばれ先生が途中で席をたたれました。
こんなことは初めてでした。
パソコンのモニターがこっちを向いていたので、退屈しのぎと一度マジマジと見てみたかったので隅々見ていました。
すると、飲んだ覚えのない薬剤名が…?
さらに、生年月日も違う…?
住所も違う…?
下の名前の一文字の漢字が違う‼️ハッとなり、先生が戻ると、私のカルテではないと伝えました。最初は疑われましたが、先生も分かってくれて、待合室で待つように言われ、それから1時間は待たされました
そしてやっと呼ばれると、看護師さんや医師達がズラリと並んで、私に頭を下げました。
どうやら、同姓同名の人に既に主人の精子を入れられた後だったそうです。そして、その女性には急きょ、薬剤を入れて処置されたそうです
医療事故になりますよね?
頭が真っ白になりました。そしてすぐにその女性が気の毒だなと思いました。
あのまま気づかずに、見ず知らずの男性の精子を自分に入れられてたかと思うと急に吐き気がしました
その日、主人に仕事終わりに病院に来てもらい、病院でもう一度採取して、その後に人工受精をすることになりました。
今回の2、3万円だったかな?その分は無料でとなりました。
それから、また数時間待つことに…。結局、病院には11時間以上いることになり、ヘトヘトでした
すごい大問題ですが、それで終わりです。
その当時、クレームをつけると授からないような気がして…。善人であろうと心がけていたのと、担当の先生は信頼できたので、今後もお世話になりたくて、グッとこらえました。それに、その女性の方が辛いだろうと思い事を荒立てずに終わりました。その女性が訴えたら協力しようと思いましたが。
住所から、その女性は私より遠いところから来られていました。長い帰り道、どんな気持ちだったんだろう
あのまま、看護師さんが呼びにこなければ…私がモニターを見なければ…と思うとゾッとします。
気付かせてくれたのは、私のガイドさんのおかげだなと感謝しかありません。ありがとうございました
その後、番号と名前の両方で確認されることになったので、今後の再発防止の役目も果たせたのかなと思います。
長くなりましたので続きは明日へ。