6月13日(木)

 昨日、憲法審査会で意見表明しました。

 今回のテーマは国民投票法。

 

 改めて言うまでもなく、国会法などで定められた憲法審査会の権能は、憲法に関する調査、改正原案の審査及び憲法改正国民投票の審査であり、これらを並行して議論していくことは、この審査会の設置目的そのものと言っても過言ではありません。それゆえ、CM規制など一部の議論が決着しなければ憲法本体の議論を先に延ばすべきだ、という見解に流されることなく、「車の両輪」である憲法本体の議論と国民投票に関わる議論の双方を同時並行的に進めるべきです。

 

 ところが、今国会で参議院憲法審査会での実質的討議はわずか4回しか開かれていません。しかも、最終盤に入ると、一部野党の国会対策関係者から「憲法審査会を強行するなら、政治資金規正法改正案の審議には応じられない」とか、与党の国対幹部からは「憲法審査会開催を強行すれば、法案成立が危ぶまれる」という発言が相次ぎました。まるで、憲法審査会が人質に取られたかのような感があります。きわめて遺憾です。

 本来なら、政局などとは一線を画し、憲法の在り方を論ずるのが憲法審査会に与えられた使命であり、ゆえにこの審査会で活発な議論が行われてしかるべきです。まだ、閉幕まで時間はあります。国民投票法について審議を行うとともに、各党が条文案を出し合い、改正に向けた作業も進めていくべきです。必要ならば定例日以外の審査会開催は当然ですし、参議院憲法審査会規程によれば、審査会は会期中であると閉会中であるとを問わず、いつでも開会することができます。永田町の悪しき前例主義や政局にかまけることなく、ゴールに向けてギアを上げていくことが不可欠です。

 

 政治への信頼を大きく失墜させている元凶は、何もおカネの問題だけではありません。政治家や政党が、国民に公約したことを真剣に果たそうとしないことも、然りです。「この秋の総裁任期までに憲法改正を実現したい」と総裁がおっしゃるなら、堂々と進めるべきです。「憲法改正は党是だ」と言うのならば、困難があっても、約束通り実現に向け最大限の努力をすべきです。残念ながら、本気度や熱がまったく感じられません。これでは、政治の信頼回復は不可能です。自民党の奮起を強く求めます。

 

 日本国憲法が施行77年を迎えました。この間、一言一句の改正も行われていません。憲法改正の国民投票は、国民が主権を発動する重要な機会です。にもかかわらず、国民主権を掲げる日本国憲法が、一度も国民の審判を仰いでいないのは、まさに「ブラックジョーク」です。

 「憲法を国民の手に真に取り戻す」。そのために我が党は、参議院においても主導的役割を今後も果たして参ります。