1月13日(土)

 今回の地震は、厳冬期に発生し、断水、停電が起き、厳しい避難生活を余儀なくされ、かつ、避難の長期化が懸念されます。

 北海道では、平成30年の胆振東部地震の被災経験を契機として、積雪寒冷地特有の課題に取り組むため、厳冬期の防災総合訓練を行っています。

 この訓練の特徴は、避難所で宿泊を伴う訓練をすること。避難所の環境改善に取り組み、低体温症による二次災害やエコノミークラス症候群による災害関連死を防ぐため、停電・断水対策、トイレ、食事、就寝、暖房環境を整え、安全に避難所での生活ができるよう、参加者・関係機関と協力して訓練を実施するとのことである。

 このような訓練に参加することで、「避難所生活での不安がなくなった」、「訓練で経験することの重要性がわかった」等の参加者からの声があり、訓練は盛況であったとの報告が内閣府の情報防災のホームページに掲載されている。

 このような訓練は、広く全国に普及させていく必要があり、今回の能登半島地震の経験はもとより、これまでの訓練の成果を広く普及・啓発していくことが、地域防災力を高める鍵を握るのではないでしょうか。

 

 一方、いまだ石川県では、被害が大きかった輪島市や珠洲市などを中心に2万人以上の人が身を寄せていますが、避難所の多くで水道や電気が復旧していません。

 すでに災害関連死でお亡くなりになられている方がいますが、厳冬の中、これ以上の犠牲者を防ぐため、より安全で環境が整った避難所に速やかに移動してもらう必要があります。実際、政府と石川県が連携して1.5次あるいは2次避難所に向け移動が本格化

しています。

 このように、地震災害に際し水道・電気などのインフラ復旧が長期化することなども見越して、平時において広域避難の体制づくりを進めるとともに、その手順を確認しておく重要性が再認識されたと言ってもいいでしょう。

 いずれにせよ、地震はいつ、どこで発生するか分かりません。 

 今回の能登半島地震の経験も踏まえ、我が国の防災体制のさらなる強化が求められることは、間違いありません。

(小矢部市の松尾神社、同市内では多くの神社仏閣で被害が出ました)