7月10日(火)

 午前中から砺波市内を挨拶回り。

 

 政治の現場から離れて2年近くになろうとしています。

 一時は、新聞の政治面の見出しをザッと読むだけの日々でした。しかしこの頃は、現実政治の表層的なところではなく、根底にあると思われる「世界的な潮流は何か」を見定めれるようになりたいと思っています。

 そういう中、中央公論7月号の時評にある政治学者・待鳥聡史氏の「日本の野党にものしかかる中道左派の世界的停滞」は、なかなか興味深いものでした。

 そもそも中道左派は、経済成長の果実を社会保障の充実や教育機会の拡充といった再分配政策に振り向けことに力を入れてきました。近年では、イギリスのブレア政権やアメリカのクリントン政権のように、急激に進むグローバル化に上手に対応し、再分配政策を合理化しつつも継続しようとしてきました。

 しかし、リーマンショック以降、経済成長の鈍化が再分配政策の原資を失わせ、社会経済的格差が広がるという事態に「各国の内政と外交の両面で、中道左派の存在感は大きく低下している。背景には、中道左派が国際政治や国内経済について魅力的なヴィジョンを打ち出せないことがある」と同氏は指摘。その上で 「国会での審議拒否が続いた際に、野党に対して政策論争を挑めという批判がなされた。その通りなのだが、論争を挑むだけの政策的な基盤が確立できていないのが実情である」と喝破しています。

 果たして日本の中道左派は、この難題を乗り越えれるのでしょうか。

 とにかく、これからの世界や日本政治の在り方を考えさせられる良い論説でした。