4月初旬に入院して生検細胞を採取した検査の結果を聞きに、家内とがんセンターの頭頚部外科を訪れました。

3月末でこれまで甲状腺腫瘍(検査治療保留中)でお世話になったU医師に替わり、K先生という医師が担当になります。

どんな先生だろ?検査結果よりもそんなことが気になっていました。

(あとから思うと、嫌な結果を直視したくなくて気を紛らわせるよう潜在的に思っていたのかもしれません。)

診察室に入ると、2名の看護師さん、そして、若い気力溢れる感じの医師がおられました。

まず、これまでの経緯の流れ(食道がん検査  PET検査  甲状腺腫瘍の発見  食道がん根治術  耳下腺腫瘍(腫瘤)検査)

の確認がありました。で、早速本題の耳下腺腫瘍の検査結果

「言いにくいことを言います、覚悟をして聞いてください」(言葉は違ったかもしれませんが、そういう前置きがありました)

「今回、入院して採取した生検細胞の診断結果は、扁平上皮癌、悪性です。」

頭が真っ白に(この感覚、以前、食道がんの告知を受けたときほどの衝撃ではなかったですが同じ種類の感覚でした)。

「耳下腺がんが珍しいがんである上に、扁平上皮がんであるのは、さらに珍しいです。

扁平上皮癌ということで、耳下腺という組織の僅かな限られた部分が原発部位です。

急速に大きくなっており、間もないうちに皮膚の表面に喰いやぶって出てくるでしょう。」自分でもここ数週間で急速にしこりが巨大化してるのが分かります。

「扁平上皮がんということであれば、食道がんと同種。転移でしょうか。」

「食道がんからの転移であれば、通常、周辺リンパ節を経て、多臓器(肺や肝臓)に移るので、普通に考えると転移ではなく、

たまたま同時期に現れた重複がん、と考えるのですが、偶然血流にのったがん組織が耳下腺に飛んで、根付いて大きくなった可能性もないわけではありません。

そのあたりの検査をさらに進めたいので、急ぎ、全身のがんを調べたい、すなわち、PETを急いでやりたいです。」

ということで、PET,頭頚部MRI、の検査を来週することになりました。

治療の進め方は、PETで他部位に問題ないという前提条件付きですが、手術でがん周辺部位を切除するのがいま考える方法で一番いいらしく、

他にも、放射線+抗がん剤(または重粒子線治療+抗がん剤)のお話もありましたが、

手術に比べると、確実性に明らかに劣るらしく、結局切除の方向で進めるのがベターだということでした。

ただし、そのリスク、後遺症の説明が大変つらい内容でした。

耳の裏から、顔に向かって顔面神経が5本に分かれて伸びてきているそうですが、今回、僕の場合の耳下腺がんは咬筋という筋肉に巻き付いているらしく、

咬筋を取り除く際に、顔面神経を3本、切除しなければならないという話でした。

つまり、額から目、唇まで、一生、障害麻痺が残る、ということでした。

眼を閉じたり、発話、会話も今まで通り、できなくなる仕事にも影響すると言われ、ショックでした。

それから顔が変わる、頬っぺた部分がへこんでしまう。でも顔が変わることぐらい、神経の麻痺に比べるともうどうでもいいです。

ぐずぐずして、ただでさえ、今、ご飯を食べるのにかなり難儀している(口は既に8mm程度しか開きません、堅いものは噛めません)し、なんだか顔右半分(特に口元)に絶えず痛みと麻痺し始めてるような感覚があります。顔右半分は変形しています…。

もう手術で取り除く、決意、覚悟をその場で即座に決め、手術のお願いを先生にしました。

術前検査(呼吸機能、負荷心電図など)はすでに終えていて、手術に耐える体力があるのはもう先生の方で確認済でした。

来週検査、そのうえで、5月2日に家族と一緒に来院して、

検査結果を考慮、カンファレンスしたうえで、可能な限り早く手術(GW明け、すぐに。5月上旬)の線で進めることにいたしました。

手術入院期間は3週間。「え?食道がんのときよりも長いですが」と尋ねると、

「顔だけではなく、舌(舌根)に及んだり、他部位の手術もおそらく必要(太腿から筋肉や皮膚組織を持ってくる?)になる見込みですので」

ということでした。つらい

「たられば、の話ですが、食道がんの術後、オプジーボをやっていたら、どうだったでしょうか」

「例えやっていても、がんの進行が遅くなったくらいで、いずれ耳下腺がんとして発現してきていたでしょう。オプジーボにそこまで(がん治癒)のちからはありません」というお答えでした

お礼を言って、診察室を後にして、廊下でうなだれる

そこへ看護師さんの追加説明がありました。改めて、手術に伴う顔面神経麻痺のこと。そして、

「とにかく、体力を落とさないよう、食道がんの術後の後遺症が残っていて大変だと思いますが、いま、頑張って食べてください。

手術直前ではなく、いまのうちに体力をつけておくことが肝心です。必ず、補食をしてください。必要な処方(エネーボなど)しますから、次回必要なら言ってくださいね。」

ということでした。そのあと、入院受付(予約)をして、お会計。気持ちが沈んで沈んで沈んでしまう。

でも、一人じゃなく、家内と聞いて、よかった。一人ではこんなに冷静ではいられなかったかもしれません。椅子からすぐには立ち上がれなかったかもしれません。

いま、アメブロを書いて、やっと混乱から、少し頭が整理できたような感じです。

どう頑張ればよいか、どう向き合えばよいか、、ちょっと混乱していますが、

治療に向けて、懸命に生きようと思います。

来週のPETでがんが散らばっていないことを願うばかりです。