手術を終えて、ICUで過ごしている間は身も心もどん底だった。

そこから、徐々に回復し、身体に繋がれたチューブも外れていき、リハビリや嚥下の訓練も順調に進み、

「しばしゃんさん、いい調子ですよ。」とスケジュール通りの退院がかなった。

日に日によくなるのを実感した。そこに落とし穴があった。

病院で「すごい、すごい、順調ですよ」と言われ、どうやら、少しいい気になっていた模様。

調子に乗ってはいけないということを痛感した。

退院翌日、走りたくてうずうずしていたこともあり、趣味のランニングをしようと、ランニングシューズに足を入れて、表に飛び出した。

一歩、一歩、走り出す。

衝撃が、お腹や胸の傷に響いてこたえる。

でも走りたい一心で、脚を動かす。これくらい大丈夫。息が苦しい。息ができない。まだまだ、走り続ける。

冷汗が出てくる。つ、つ、疲れた。もうやめとこう。結果、距離は3.3km走れた。

けれど、ダメージは大きかった。

家に戻って身体を起こしていられなくなり、ソファーに寝そべった。傷が疼いて、動くのもつらい。

その翌々日も3キロ、その次の日も4キロ走った。数字上、ペースは少しずつ上がったが、身体は正直にダメージを受けた。

反動でしんどくなり近所のコンビニにも行けないという状態に。

リハビリ回復期で、病棟ではいくらスーパーマンでも、病院を出て、一歩普通の社会にでると、何もできない、ただの病み上がり。

いい気になるのは間違いだと、身に染みて思った。

実際、後日、血液の炎症の数値が大幅に悪化し、抗生剤が処方されることになるのだが、

もしかしたら、退院直後に頑張ってランニングしたことが響いた可能性がある。(いや、きっとそうだろうと思う。)


一方、食事の方は、

退院後、2週間は腸ろうからの経腸栄養(エネーボ)は毎日続けながら、

食べたいものが次々と現れ、貪欲にいろいろなものを買いあさって口にした。

もちろん量は全然食べれない。治療前の5割くらいがいいところ。スピードもゆっくり。

(ゆっくり食べるのには、術前から狭窄してたこともあり、すでに慣れている)

お好み焼き、いなり寿司、チーズケーキ、ちーかま、プリンなど、食べたいものをなんでも口にした。

味覚が敏感になっていることもあり、それぞれの味が、みな迫りくるような?生き生きとした味に感じた。

特にびっくりしたのは、チョコレート。

前歯で少し噛んで、小さな欠片を口に入れると、、、、

飛び上がるほど、甘くて、驚いた。(*_*;

舌が敏感すぎる。