一般病棟に移って

術後7日目(11月20日)

病室のトイレで柔らかい便が出た。まだオムツをつけていたが、もう必要ないと思い、普通のパンツに履き替えた。

血液の数値(白血球?)が思わしくないとのことで、抗生物質の点滴を開始。

栄養士さんの指導が入り、いよいよゼリー食が開始かな、と思ったら、その血液の数値のせいで延期になった。

と、思ったら、今度は別の栄養士さんがやってきて、大丈夫です、ゼリー食、食べましょう、ということになり、

ナースステーションのところで横に付きっきりで嚥下の指導の下、ゼリー食を始められることになった。

小さいスプーンを使って、恐る恐る口へ入れる。顎を引いて、ゆっくり飲み込む。ゴクリ。飲み込めた!ささいなことだが、感激。

誤嚥しないよう、慎重にゆっくり食べた。口にものを入れるのは久しぶり。

味覚が敏感になってるみたいで、味を強烈に感じた。

歯磨きを済ませ、続いてオーラルケア。口に物を入れることがなかったせいで、舌が真っ白になっていた。

食事が再開されれば、擦れて、徐々に元に戻りますよ、とのこと。

リハビリの先生と一緒に、病棟内を行ったり来たりして、15分間ウォーキング。

夕方、先生が回診に来られ、「CTも問題ないし、土曜(11月25日)の退院を目標に進めましょう。」ということに。

ヨシっ。がんばろう、という気力、意欲が湧いてきた。

夕方、ゼリー食。30分以上、時間をかけてゆっくり食べる。


術後8日目(11月21日)

夜中、背中が痛く、寝汗びっしょり掻いて、寝つきが悪く、寝たり起きたりだった。早朝5時半に採血。

朝、担当医の回診で、うれしいお知らせが。

「手術で取った食道のがんは随分小さくなってましたよ。」

「え?あんなに食事が困難だったのに、酷くなってると思ってたのに、ですか。」

「それは放射線治療で浮腫んで、狭窄していたんでしょうね。がん自体は小さくなってましたよ。また病理の結果は改めて説明します」

それから、「明日昼から食事を変えます。血が良くなっていれば、抗生剤の点滴も明日外します。」

さて、どうなるか。続けて、主治医の先生の回診もあり、「顔色、悪くありませんね。がんばりましょう。」と励ましてくださった。

看護師さんが来られ、病棟内の総室(4人部屋)でインフルエンザの患者さんがでたので、同じ病棟の患者さん全て「面会禁止」になった、とのこと。

ただし、エレベーター前での洗濯物の受け渡しだけは可能。まあ、仕方ない

お昼前、点滴の部位と腸ろうに防水の養生をしてもらい、シャワーを浴びる。10日ぶりくらいかな!?

手術の傷口にお湯をかけるのが怖かったが、久しぶりにシャワー浴びて、気力も回復したような気がした。

食事の変更、明日からと思ってたら、早速お昼から、おかゆ(3分がゆ)が出てきた。

夕方には、看護師さんの監視のもと、スプーンで「さゆ」を飲むテストがあった。少しずつ前進してる。

リハビリはインフルの影響、制約で病棟内を行ったり来たり。リハビリの先生の話ではこれでも600mは歩いたよ、とのこと。


術後9日目(11月22日)

夜はなぜか目がギラギラして?寝れない。夜中に巡回に来られる看護師さんと何回か目が合って何だか気まずい

お昼前に2日連続でシャワーを浴びる。腸ろう、傷跡のテープを交換してもらう。というか、自分で交換できるようトレーニングさせていただいた(オメガ貼り)。

今日の昼食も栄養士さんが横に来られた。

午後のリハビリ、今日は早歩きしましょう、とのことで距離は600mだったが、早歩き。

息が切れるが、なんとかこなせた。


術後10日目(11月23日)

今日は世間は祝日、病棟内も静かに感じる。なぜか背中が痛く、夜しっかり眠れない。

今朝も巡回の看護師さんと何度も目が合ってしまった。腸ろうからのエネーボのせいか、下痢が続く。

お昼、術後食がさらにステップアップ。水もコップから直接飲むようにチャレンジが始まった。怖い。慎重にゆっくり飲んだ。

病院食足りないな、なにか食べたいなぁ。そんな気持ちが湧いてきた。

回診で先生にそれを伝えると、「それはすごい!順調すぎます。」と言われた。


術後11日目(11月24日)

背中やお腹の傷口が気になって、やはり夜は眠れない。2時間続けて眠れたら、いい方。寝汗もすごい。トイレも下痢気味。

それでも体調が悪いわけではない。今日はリハビリ室で、ウィーキングマシーンの上で、傾斜をつけても結構歩けた。

お昼ご飯、さらにステップアップ。自分でも順調なのを感じる。午後、家内が面会に来て、いよいよ退院説明と栄養説明を一緒に聞く。

腸ろうの取り扱い、傷口のテープの交換、は自分で問題なくできるようになった。

退院OKですね、ということになり、今日中に治療費(入院費、出術費用)を清算してください、ということになった。

会計で清算した足で、INBODY測定。現実の数字を見ると、筋力、脂肪の減少に愕然とする。

体重は術前より5キロ減少している。仕方ない。

16:50 主治医の先生と担当の先生が回診に来られた。

「大変、お世話になりました。皆さんのおかげで無事退院の日を迎えられそうです。僕の命の恩人です。」

感謝の気持ちを伝えた。「帰ってから、慎重にね!」「ハイ!」

まだ身体は万全ではないが、心は晴れやかな感じ。

いよいよ明日、退院だ!!