術前入院初日(11月10日)は怒涛のような検査や施術、説明で慌ただしかった。

腸内環境を整えるヤクルト整腸剤(シンバイオテクス)も服用を開始し、術前処方の眠剤(ラメルテオン)も飲んで床に就いた。

疲れてよく眠れるかなと思ったが、もう朝かなと思って目覚めたら、なんと23:20だった。うーん、やはり緊張しているのか。

右鎖骨から入ったカテーテルの鈍い痛みが気になる。いったん寝たが、2:30に尿意でトイレ。すると、廊下が賑やか。騒いでいる患者さんがおられる。どうやらその患者さんは病院にいることを全然認識できていないみたい。

静かになったと思ったら、また騒ぎ出したりして、そんな状況でうとうとしているうちに朝6時になった。


今日は土曜日(11月11日)。

朝食は喉を詰まらせないように慎重に1時間くらいかけてゆっくり口に運んだ。

10時、担当医の回診があった。今日も頻繁に血圧や体温チェックがあった。

早くもICUへ預ける荷物を看護師さんが引き取りに来られた。

すべての物品に借りたマジックで名前を書いたが、それらをひとつひとつ看護師さんがチェックして、運んで行かれた。

刻々と近づいてくる手術。不安と期待。交錯している。

今日はポッキーの日なので、1階のコンビニでポッキーを買い、おやつに食べてひとりお祝いをした。

家内には岡山まで、明日の岡山マラソンの前日受付に行ってもらった。もちろん走れないが記念にTシャツをもらってくるよう頼んだ。なので今日は面会じゃなくLINEでやりとり。

病院の夕飯、食べ始めて、いきなり、喉を詰まらせた。げーげー、吐こうとするが全く吐けない。

30分以上涙を流しながら格闘。水も全く通らない。

廊下にその嗚咽の声が聞こえたようで、担当の看護師さんがやってこられ、吸引の準備を始めかかったとき、

なんとか自力で吐いて、詰まりが取れて復活した。ああ、苦しかった。

食べるのを再開。なんとか頑張って9割は食べた。でも疲れてぐったり。

カテーテル部分の防水養生をお願いし、シャワーを浴びる。

その鎖骨のカテーテルのことを尋ねると、主に(術後長い間栄養を摂るのが難しくなる)食道がん患者さんにだけに挿入する、とのことだった。

設置の時は痛かったし、突っ張る違和感があって腕を動かしたり、寝返りを打つのが恐ろしいけど、

まあ特権みたいなものかなと、得した気分に置き換えるよう、自分に言い聞かせた。

テレビでラグビー元日本代表の平尾誠二さんのがん闘病のドラマをやっていた。

一部自分の状況とも重なり、つらい気分になる。消灯時間になったので最後まで見ず、22時テレビを消して、就寝した。