元気を出したい、美味しいものを食べたいという気力が湧いてきて、9月9日の夜、

思い切って、「焼肉を食べたい、食べに行こう」と家内に申し出た。

食事が困難で嘔吐したりしてるから、外食からは随分遠のいている。

ダメかなと思ったら、すんなり、「うん、行こう」

ということになり、家内と息子と3人で近所の焼肉屋さんに出かけた。

喉を詰まらせて、困ったことにならないか、、、

そんな不安も頭をよぎるが、食べたいものを注文した。

もともとビールが好きで、毎晩の晩酌は欠かしたことがないが、

がんになって以降、アルコールは一滴も飲んでない。というか、なぜか飲む気が起こらない。

なので、焼肉だけど、コーラ。以前の僕では考えられない。

でも、家族で食べる焼肉は美味しい。

味覚が分からなくなってても、美味しい。

心で味わうことができた。

しっかり咀嚼して、喉に詰まらせて嘔吐しないよう、注意を払って食べ、

食べたいものをすべて食べることができた。

最高に美味しかった。

少々オーバーだけど、もう思い残すことはない、と思った。

実際、この翌日あたりからすぐ、がんの進行して、喉の閉塞がさらに進み、詰まって嘔吐を頻繁に繰り返すようになったので、

この外食、焼肉は最後で最良のタイミングだった。

この食事のことは今でも忘れられない。



焼肉、美味しかったなあ 味覚異常でも…