なほです。 | 劇団芝居屋の役者の独り言

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こんにちは☆



東京では朝からすごい雨でしたねぇ[E:rain]明日は晴れてくれるかなぁ[E:note]



秋晴れの空が見たいですね[E:sign01]大阪にいた頃は秋になると、京都のお寺へ紅葉を見に行ってました[E:maple]そういう自然の中に佇むと、心が洗われる、ていう感じがします。東京はどこがいいですかね[E:happy01]いい情報があったら教えて下さいね[E:up]





さて、今日はまた小さい頃の思い出話をさせてください。



お母さんとお父さんが離婚したのは、私が小学生一年生の夏休みが終わった頃でした。離婚するという事実がわかる以前からお母さんはお家にはもういなくて、何回もお父さんに「お母さんはどこ行ったん?」と聞いていたのを覚えています。



その日も学校からいつも通り帰ると、郵便ポストに一通の手紙が入っているのを、私かお兄ちゃんが見つけたんです。それで、お父さんと三人で封を開けたんです。



お母さんからの手紙でした。



内容はよく覚えてないけど、私が離婚という言葉の意味がわからなくて、お父さんにどういう意味かたずねたのは、はっきり覚えています。するとお父さんは「お母さんが二度と帰ってこーへんという意味や。」と答えました。言葉では説明しにくいけど、言われた瞬間のショック、というか感覚は今でも体に染みついてると思います。





それと、もう一つ。



お父さんとお母さんが別れて、それからお父さんがお付き合いしていた女性は二人(私の知る限り)いました。



一人目は以前もお話した「おねえちゃん」と呼んでいた人。



二人目は、・・・・あれ?忘れちゃったな。とにかくその人とお父さんは頻繁に喧嘩をしていて、巻き込まれることもしばしばありました。その喧嘩を見る度に、「私は関係ないから。」と思ったり、口に出したりしていました。その時期はその女性のことを、私は好ましく思っていませんでした。



その頃、お父さんとその女性が別のマンションで一緒に住んでいて、私とお兄ちゃんは実家に住んでたんです。だから家財道具やらなんやら一式持って行かれて、実家は空っぽで、私自身が怒ったのを覚えています。



ある日、小学生だったか中学生だったかわからないけど、夜、家に一人でいた時に電話がかかってきたんです。例の女性からでした。公衆電話からかけているようで、受話器からは雨音が聞こえてきました。



その女性はひどく興奮した様子で、お父さんと喧嘩して家を出てきたようでした。



女性は私にこう言いました。



「あんたのおとん最低やな!なんであんなこと出来るんか、全然わからんわ!」 詳しい内容ははっきり覚えてないけど、延々とお父さんの文句を言ってきます。



私は言い返したかった。「あなたとお父さんの間のことでしょう?わたしには関係ありません。」



まだまだ文句は続く。



ずーっと聞いているうちに、心のどこかで、頭のすみっこのほうで、



「これはやばい」



このまま聞き続けたら自分の心が壊れてしまうような気がしたんです。



わたしは受話器から聞こえる声をそのままにして、静かに自分の耳から離して電話を元の位置に戻しました。雨の音が外から聞こえました。その後の記憶はありません。



あの時の感覚。みじめな気持ち。ひとりぼっちになったような気持ち。恐怖。



その感覚を、久しぶりに今日味わいました。



バイトをしていて、ティータイムの暇な時間帯に、わたしがオーダーを受けて準備していた時、周りのスタッフは私以外みんなスタッフ同士会話をしていて、すごく近い距離に私がいるのに、誰も私を見てない、認識してない、意識されてない、そう思った瞬間があって、すごく辛かった。寂しかった。



あの時の気持ちと共鳴した。



わたしには悲しい思い出が多いです。事実はそうじゃないかもしれない。でもわたしの事実はそうなんです。



わたしの思い出の中で、わたしはお母さんに抱きしめてもらった記憶がはっきりありません。だから、お母さんが生きている間にぎゅーってきつく抱きしめてもらいたかった。頭をなでてもらいたかった。



その思い出が私の中に、ひとつないだけで、こんなにも辛い。



わたしが小さい頃、辛かった時、お母さんはわたしを抱きしめてくれたかな?わたしが泣いてたらなぐさめてくれてた?どんな顔で、どんな言葉で私に話しかけてくれてた?



思い出して、お願い。思い出せないよ。



私の願いは、とても単純なのに。明確なのに。寂しいときは抱きしめてもらいたいだけなのに。



お母さん、聞こえる?