普通列車を乗り継いでくろしお鉄道から土讃線で高松に行き、高松から予讃線で松山まで到着しました。
約12時間の列車旅で、まず初日の行程が終わりました。
夏の日暮れはまだ蒸し暑いですが、何となく爽やかな気がする松山駅です。
松山駅は日本の都道府県の代表駅の中では一番遅く誕生した駅ですが、すでに営業していた伊予鉄道の松山駅との確執があったためとも言われています。
松山駅の「駅」と言う字が「驛」と言う昔の字が使われているのが、言葉や文字を大事にする文化のある松山らしさを感じます。
駅の近くにある宿に泊まり、その近くにある温泉に浸かります。
温泉の国である愛媛での夜は、温泉で疲れをとるのが一番です。
そして、温泉あがりに早速、生ビールをいただきます。
旅の後のビール。
これが最高に美味いのです。
愛媛県の味とも言える「じゃこ天」を喰らいます。
あれば必ず注文する料理です。
さらに愛媛の味である「鯛の刺身とサラダ」(正式の料理名は忘れてしまいました)。
鯛が甘くてめっちゃ美味かったです。
とにかく旅の後のビールと食材を頂く時間が、幸せいっぱいなのです。
生ビールがグイグイと空いて行きます。
松山市内には家族もいるし、ツーリングでもよく訪れるのですが、家族の家には立ち寄らず、それらとは全く異なるスタイルで訪れることが新鮮でたまらないのです。
温泉と食事だけでしたが大満足の松山の夜を過ごし、翌日は普通列車の早朝のダイヤで宇和島を目指します。
まだ夜が明けきらない午前5時30分に松山駅にやって来ます。
まだ殆ど人の姿が見えない駅の構内ですが、早朝発の列車群が待機しています。
1番ホームには宇和島まで一足先に向かう2000系の特急「宇和海」が5時48分発を待っています。
これに乗って行けば宇和島まで1時間30分かからないのですが。
3番には5時53分発の高松行、7000系電車が待機しています。
これに乗ると、前日の風景を逆に見ながら高松まで行きます。
乗って来たばかりでありながら、また乗ってみたくなってしまいます。
車両の脇にあるブルーシートの壁の向こうは、松山駅改装においての工事がなされているのです。
高架型になるとのことですが、駅舎玄関部分は残しておいて欲しいな~と個人的に思ってしまいます。
今回乗車する目的の列車は5時51分の宇和島行普通列車です。
実は、この前の5時23分の始発に乗ることも考えたのですが、そのダイヤは内子経由なのでやめて、どうせならこの伊予長浜経由のダイヤを選んだのです。
このダイヤであれば、あの有名な下灘駅を通るのです。
車両はと言うと、国鉄時代の名残のあるキハ185でした。
しかも初めて乗る車両なので“よーしやった!”と言う気持ちでした。
この車両は徳島県の牟岐線で特急「むろと」としても使用されていますので、乗り心地も悪くありません。
普通列車ダイヤなのでキハ54系の2両編成あたりかと思っていましたので意外でした。
今回も一番前の座席をキープできて、これまたラッキーでした。
これで宇和島まで約3時間ほどの列車旅が楽しく行けます。
定刻通り、5時51分に松山駅を出発します。
約4分ほどで次の「市坪駅」に到着します。
キハ32系の2両編成車両が行き違いを待ってくれています。
市坪駅は坊ちゃんスタジアムや愛媛県武道館最寄りの駅となっているので、プロ野球の試合やコンサートなどの大規模イベントがある時には大いに賑わいます。
東京ヤクルトスワローズが秋季キャンプに来る坊ちゃんスタジアムには以前に来た事があります。
停車時間が長ければホームに降りてみたいところでしたが、すぐの出発です。
待ってくれていたキハ32系は2両編成でしたが、松山方面の車両はヘッドのライトケースが丸型でしたので新潟鉄工所製で、後方の車両は四角のライトケースが付いているのが富士重工製でした。
高知県内ではこの富士製の方が多いようです。
市坪駅を出発すると重信川を渡り、松前(まつさき)町に入り「北伊予駅」に停車します。
その次は「南伊予駅」ですが、この駅は伊予市の要望により出来た駅で全額愛媛県と伊予市が負担したようで、駅名はかつてそこにあった「南伊予村」の名からとったと言います。
南伊予駅に隣接するのは松山運転所で、以前は松山駅近くにあったのを移設したのです。
南伊予駅はかすかに伊予市に入りますが、次の「伊予横田駅」では松前町に戻り、次の「鳥ノ木駅」では再び伊予市に入ります。
路線は海岸近くに近づいて行き、伊予市の代表駅である「伊予駅」に6時10分に到着します。
予讃線の電化区間はこの駅までとなっているため、電車系の車両はここで折り返しとなります。
駅の近くには伊予鉄の郡中港駅があり、併用して利用する人も多いようです。