香川県の海岸線を行き、今や撮影スポットとして有名になった父母ヶ浜を後にして、三豊町から観音寺市へと入って行きます。
観音寺市内へ入った所で、目につくうどん店の看板を見るとどうしてもまた入ってしまいます。
香川県に入ったところで頂いた讃岐うどんですが、また頂きたくなるのです。
2杯目の讃岐うどんで腹ごしらえをした後は琴弾公園方面に行き、琴弾山に登る舗装林道のような道を上がります。
山頂には「寛永通宝」が描かれた砂絵の展望所があるのです。
有明浜の砂に描かれた「寛永通宝」は、東西122m南北90m、周囲345mもある巨大な砂絵で、琴弾山山頂から見るときれいな円形に見えます。
寛永10年(1633)藩主、生駒高俊公を歓迎するために、一夜にして作られたと言います。
この銭形を見たものは健康で長生きができ、お金に不自由しないと伝えられています。
近年銭形を見て宝くじを購入した人が高額をあてたことから金運スポットとして知られ、多くの観光客が訪れているらしいです。
展望所から降りると寛永通宝の砂浜に近づいてみます。
周辺は松林に囲まれていますが未舗装の道がありますので、そこに入り、出来ればビーチランが出来そうなところを探ってみます。
園内には5万本の黒松が群生しており、「日本の白砂青松百選」にも選ばれていて、姫松、小傘松、すそひき松などの愛称がつけられた、珍しい形状のものもあります。
また、根上がり松と言う根の部分が地上に露出した黒松があり、地面の風化、松の樹齢など様々な条件が重なっていなければ、見ることができない貴重なものとのことです。
寛永通宝の外側にある有明の浜に出てきましたが、残念ながら柵などがあり、浜には立ち入れないようでした。
それにしても凪である瀬戸内海の夏はかなり暑くて、バイクを取り回すだけでも汗が噴き出てきます。
銭形の近くに行ってみますが、歩くだけでも汗ダラダラです
。
この砂絵は、そのまま放っているわけでなく、「砂ざらえ」という、砂絵を美しく整えています。
毎年、春と秋に市民を中心に数百名でこの「砂ざらえ」を実施しています。
砂ざらえ開催時のみ、深さ2メートル以上の砂絵に入ることができるとの事です。
有明の浜の一番西端の財田川の河口付近の浜には入り口があって、砂浜に突入します。
瀬戸内の初ビーチラン!。
ところが、この砂浜はかなりふかふかで、あっという間にタイヤがスタックしてしまいます。
バイクから降りて、エンジンを掛けながら進めますが、踏ん張りがきかなくてスタンドも立ちません。
まるで蟻地獄のようで、重たいXRを押し上げ、息を上げながらようやく浜から出ることが出来ました。
大野ヶ原町に入り、愛媛県方面の浜を眺めます。
特にこれと言うものはありませんが、普段に馴染みのない瀬戸内の景色が何とも和みます。
道沿いにサボテンがたくさん生育していました。
雨が少なく、夏の凪がとても暑い瀬戸内ならではの環境でしょうか。
豊浜駅があり、いつものように、近くに駅があると立ち寄って小休止します。
さらに西に国道11号線を進みます。
すぐ横には瀬戸内海が広がり、海に浮かぶ島々が見られます。
香川県に西端の駅である「箕浦駅」に立ち寄ります。
駅舎は北海道でよく見られる貨車を改造したものが使用されています。
この箕浦駅も実は“海の見える駅”なのです。
国道11号線を挟んですぐに瀬戸内海の燧灘が広がります。
11号線と言うメインルートの傍なので秘境感はありませんが、すぐに愛媛県境があり独特の雰囲気を感じます。
箕浦駅から西に2キロほどで、香川県と愛媛県の県境に来ます。
県境には余木崎(よきざき)と言う小さな半島になっていますが、道の駅やうどん屋が立ち並んでいます。
ここでまた、うどんも食べたくなりましたが、2杯目を食したばかりなので我慢しました。
ここから愛媛県の四国中央市で紙の町で知られる旧川之江市となりますが、この県境の国道沿いには昔、西行松(見返り松)と言う松があったそうです。
根周り12m、樹齢幾百年ともなる大きな樹で、一株から3本生えていて、道行く人々から親しまれていた老木だったそうです。
ところが昭和30年に国道の暗渠(あんきょ)工事の際、道路下に深く張っていた太い根を切り取ってしまったため、道路側の1本が枯死し、昭和41年にもう1本が枯死し、残った1本もいつ枯死して倒壊するかもしれないと言う事で、昭和43年に切られてしまったようです。
かつて豊かな砂浜と松林のあった県境の変貌を象徴するかのような話です。
余木崎海水浴場(よきざきかいすいよくじょう)が愛媛県側にあり、愛媛県東端に位置する静かで穴場的海水浴場です。
波が穏やかで一面に砂浜が広がっており、小さな子も安心して楽しめるスポットとなっています。
でも、昔はもっと綺麗な砂浜が広がっていたと言います。
川之江の市街地へと入って行きます。
川之江は紙の町として知られていて、かつて富士紡績があった時代、そこに勤める女工さんが川之江の男性に嫁いだ事が多かったと言います。
富士紡績には鹿児島や沖縄からなど他県から若い女性がたくさん来ていたようで、現在70歳代前後ぐらいの人の中には富士紡績の女工さんを嫁さんにした人が多いとか。
アーケード内を進んで行くと、突き当りにはJRの川之江駅があります。
再びそこで水分補給を兼ねた小休止をし、今回のツーリングのゴールとしました。
全行程は179キロで、久しぶりに人の多いエリアでのツーリングとなりました。
全行程