時価ヒーリングをマダム・ベルとしていた頃の話
ベルはんは見ていた。
時価ヒーリングをしている時に浮かび上がってきた悪魔や魔物や良からぬ者たちの姿を。
その中には魔王も含まれてたし、妖怪に悪霊に、なんか分からんものまでさまざま。
浮かび上がってきた奴らはなぜか最初にベルに目が行く。
そして、嘲りの表情になったりにやりと笑うそうだ。
この話はベルから聞いた話を元に構成しています。
次に横にいる私へと視線が動き、そのまま表情を崩さんのもそこそこいたけど、力のあるものほど顔が引きつるんだそうだ。
ベル曰く、悪魔が怯えるのを見たことないけど、顔が怯えてた。
その時の私の目には冷酷という文字が浮かんでいたに違いない。
私が悪魔の名を呼ぶと「ジュッ」という音とともに火傷の傷が顔につくんだそうだ。
だから最初のころは面白がってよく名前を呼んだものだった。
今でもだけど。
で、時価ヒーリングとは人に憑いた悪魔や魔物や良からぬものを払いのける行為なので自分の持ち場に帰ってもらう。
消しちゃってもいいんだけど、彼らにも役割があるのでそうはいかんのですわ。
が、時として「いらないよね」と判断したものに関しては消してました。
相手が何者であろうと。
その時の消し方が冷酷そのものなんだそうですわ。
じわりじわりといたぶったり、瞬間的に跡形残さずだったり。
その様子をベルは見ていました。
目を逸らすことなく。
邪悪なものがあらゆる方法で消されていく様子。
それに対する罪悪感のない私。
物凄く怖かったそうです。
ちなみに私が消したものは人間が生み出した魔物たちです。
創造主が作った悪魔や魔物は自分の役割をこなしているだけですので消すことはありません。
彼らの役割は人間を惑わせて悪の道を歩かせること。
これは「気づき」のために必要だったりします。
世の中、サザエさんばかりでは人は成長しないのです。
あ、だからといって私が悪魔や魔物をつけたりはしませんので。
私は自分の仕事を増やすようなバカなことはしませんので。
悪魔たちですが、時価ヒーリング時に払われるときは私に敬礼をして立ち去ります。
じゃないと首根っこ掴まれてとんでもない感じで放り投げられるからだそうです。
そらもう、恐ろしいらしいですが私には分かりません。
時価ヒーリングですが、そんな感じで静かーに仕事してます(笑)