ハンハリーリ・バザールを出ていよいよエジプトの地を離れ、日本に向かうという時を迎えつつあった。最後の夕食の場所がナイル川沿いのボートレストラン。ナイル川に面している。そしてナイル川の西岸に太陽が落ちようとしていた。悠久の大河に日が落ちるその様子を見て、私は訪れた古い文明の痕跡を思い出しながらに物思いにふけった。誠に美しい景色が見られるこのレストランは、魚料理であっさりしており、日本人にとても合った味だった。肉は非常に体に重たくて、もううんざりしていたところなのだが、この魚だったら何とか大丈夫かなと思った。贅沢なレストランらしく中庭には芝生が張り巡らされて、そしておそらくこの料理屋から出る生ゴミでも食べてるのだろうか?でっぷり太って貫禄のある黒猫が我々を出迎えた。猫は我々の事を一瞥して危険性がないと見るやゴロゴロと寝転がっている。古代の猫の神様みたいな感じである。バステト神なのだろうか?
これで今回の旅行の行程は全て終了ということになった。同行のツアーの方達とも大分お話ができるようになった。皆旅慣れてるようであった。フィンランドにオーロラを見に行ったり、ペルーでマチュピチュを見たり、ヨーロッパでもスペインを巡った旅をしたとか、いろんな話を聞いた。なるほど確かにこのようなツアーに行くと、もう一度どっかに行きたくなるのが人情というものだ。私は次はどこへ行こうかとついついネットで調べてしまった。来年の夏はスペインあたりがいいかなとか、北アフリカのモロッコもどうかな。とにかくグラナダのアルハンブラ宮殿には行ってみたい。イスラムとキリスト教徒の文化的融合である。バルセロナも見てみたい。
一方でアジアにも行ってみたい。私は案外アジアは行っていない。 行ったのはインドネシアだけだ。ベトナムや、タイ、それからカンボジアのアンコールワットも行ってみたい。シンガポールや中国の万里の長城も見ていない。まあ アジアは比較的に金銭的に懐が痛まずに済む。ヨーロッパやまた南米は思い切ってお金を出すぞと考えなければ行くことはできない。
カイロ空港に入港する時にやはり3度ぐらいボディーチェックなど受けた。うんざりである。最後の最後に空港の中から飛行機に乗り込むときも手荷物のチェックとボディーチェック。空港内のお土産物屋さんで買った、家の物に頼まれたワニの置物が引っかかって、中を見せてお土産だと確認されたら通してくれた。ともかく空港のセキュリティの厳しさに驚いた。もう少し余裕を持ってある程度緩めてもいいのではないか。本物のテロリストはあんなセキュリティのところで引っかかる奴はいない。
最後は空港内での買い物。お菓子をいくらか買った。そしてワニの置物を、カイロ空港なのでナイルワニだろうということで買ってみた。3ユーロ。お菓子は4EUROから5ユーロだった。これといったものが売ってなくて、空港の端から端まで行って全てのお土産物屋さんを調べたが、これはと思うものはなかった。あったのはワニの置物だけ。
エジプトへは飛行時間はそんなに長く感じなかった。10時間ぐらい。アメリカの東海岸やヨーロッパのロンドン、パリあたりに行くのに比べると若干時間が短くて済む。そしてそのルートのうち半分近くが中国上空を飛ぶということがわかった。中国の西の端からエジプトは比較的近い。中国が一帯一路という言い方をするのもわからないでもない。エジプトには中国人観光客が少なかったのである。 最近スウェーデンに行った中国人観光客がチェックインの時間より相当前にホテルに入ろうとして暴れて騒ぎになった。まああまり海外旅行の経験のない中国人が、自分は中国人だぞと、金持ってんだぞと、いばっていて、自分たちのわがままを通そうとする。政府がバックアップしているのだといった態度を示して欧米人から失笑を買っている。ただその対応に、スウェーデンの国営放送が中国人をバカにしたような人種差別的なビデオを作ったということは、これも由々しき問題で、我々日本人にも影響を与える可能性がある。だからこそ中国人には旅行の際のルールを覚えて欲しいと思うのである。
何しろ世界で威張っているのはアメリカ人と中国人である。ハンハリーリ・バザールで、印刷のパピルスを買おうとした時に、私が相当値切ったら、アメリカ人はこれを5ドルで買う事言っていた。私は売り子にそいつは本当にクレイジーだ。アメリカ人はクレイジーだと言った。ジャパニーズは貧困なのだと説明したが通じたのかどうか・・・。
もう一つはアメリカとシオニズムのことについて、ギリシャもトルコもエジプトも面白くないと思っていると再認識した。昔フランスにいた時にアメリカ人が旅行していた。それについてホテルの係員が私に困ったような表情をして「アメリカン・・・・」と困ったポーズをしていたのだ。今は中国人に困ったポーズをしないといけないのかもしれない。経済的、金融的に敵対する国を追い込んでいくという手法。特に発展途上国に対して金の力で圧力をかけてくる。それを利用して金融マフィアが金儲けをする。その巨大なマネーで政治を動かそうと画策するそのグループが、ピラミッドを自らの象徴として使う。オベリスクもそうだ。古代エジプトの古代メソポタミアの文明がいかに偉大だったかがよくわかる。
日本も中国とアメリカの板挟みとなり、沖縄の基地問題などが解決を難しくしている。これが中国がまともであればアメリカの沖縄基地は必要ない。ただ沖縄の問題に関して中国とアメリカが裏で手を握っている可能性もあるので、だからそれは要注意なのだ。ギリシャのガイドが重要なものは皆大英博物館だと嘆いており、トルコのガイドはシオニズムとアメリカがひどいこと。エジプト人のガイドは特に言葉にはしなかったが、おそらくやらせ半分のテロ騒ぎでエジプトへの観光客が減ってしまったことについて不満に思ってるだろう。そんな中堅国の悩みを知ることができたのもこの旅行の良い点だったと思う。
成田に着いたら帰国のパスポートコントロールは、パスポートを差し出して機械に顔を向ける、いわいる顔認証での手続きで、あっという間に 帰国手続きができた。これはありがたいなと思った次第である。そして空港からはバスを使って私の住む町の方にダイレクトで向かった。電車だとどうしても遠回りになるのと、移動中に階段があって大きな荷物では困る。アテネの空港行きのバスに比べると割高だったが wi-fi もあるし USB で充電もできるし快適であった。家に帰宅したのは22時過ぎになってしまった。
翌日朝早く起きて仕事に向かう。ろくに休んでいない。どうもその後体調が優れず、少し下痢気味で、これも水の問題なのだろうか、アフリカやヨーロッパの水に慣れたところから、日本の水に変わって体に影響を与えたのではないのかなと思った。しかしそれ以上に素晴らしい経験と思い出が私に与えられた。世界の動き、今も残る遺跡を訪れた思い出。手元にまだあるお土産を見るたびに、本当に漂白の思いがふつふつと湧いてきて、また旅に出たいなと思うのである。
ナイルに陽が落ちる夕暮れ
ナイルに陽が落ちる夕暮れ
ナイルに陽が落ちる夕暮れ
ナイルに陽が落ちる夕暮れ
ナイルに陽が落ちる夕暮れ
ナイル川沿いにあるレストラン
ナイル川沿いのレストランの庭にいた黒猫↓
ナイル川沿いのレストランの庭にいた黒猫↓
ナイル川沿いのレストランの庭にいた黒猫↓
ナイル川沿いのレストランの庭にいた黒猫↓
ナイル川沿いにあるレストラン
最後に寄ったレストラン
エジプトのソウルフードコシャリとパンに付けるパテ
ナイルに日が沈む↓
ナイルの夕暮れ
ナイルに面するレストラン
ナイルに面するレストラン
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