テレビで「あしたのジョー」の実写映画版をやっている。そして一方、NHKで貧困にあえぐこどもたちの様子、そして母親のことをドキュメンタリーで映し出している。
ジョーは終戦後まもなく、戦災孤児になった。そして河原に暮らす人たちと一緒に生活し、一方、生活は荒れ、やがて少年院に送られる。その後ボクシングに出会い、彼は変わる。
ジーコもペレもストリートチルドレンのような中から出てきた。貧困からの成功物語は、昔話でも多い。シンデレラなど・・・。
今の貧困は、日本だけのものではない。欧州でもアメリカでも韓国、中国でもある。グローバリズムによる富の異常な偏在。そして、福祉のシステムに関する無知。
何より、「教育」というものが、これは機会の均等ということで、誰にでも与えられているはずだが、貧困から脱出する最大の装置である。かつては貧困の身からアルバイトをしながら、また定時制高校に通いながら働き、学資を貯め、東大に行って医者や中央官僚になった人たちがいたり、育英会の奨学金を貰い、教師となって身を立てるものもいた。
また、高度成長の流れに乗って、中卒でも就職し、正社員としてコツコツ働き、マイホームを建て、子育てをして、こどもを大学や専門学校に送った人たちもいる。
今は。貧困の連鎖で、なかなか抜けきれない。格差が固定化している。教育の重要性を、貧困層が、あまり重きを置いていないのではないかと、邪推してしまう。
貧困層のこどもの多くが学校に行けなくなっている。ますますチャンスがなくなっている。
私は高校を真面目に通えばそれなりの職場が必ずあり、正社員になる道があることを知っている。技術専門校もかなりあり、結構入りやすいし、学資は驚くほど安い。そして仕事を斡旋してくれる。職業訓練をして働けば、たとえきつい汚い、かもしれないが、貧困にあえいで、食事もままならないということはなくなる。
あれがやりたい、これがやりたい、というのは分かるが、好きなことをして稼げることはほとんどない。稼ぐには「忍」の一字が必要なこともあるということを分かって欲しいと思う。