週末の音楽サークル

この日萌絵は午後演奏会を聞きに行く
この日記の2)の話ですね

でもそれまでのメッセージの会話で

「練習前に間に合ったら駅まで迎えに行くよ」

のような話をしていた


午後

演奏会の会場で

”聞きに来ました” とホール内の写真と共に投稿をする萌絵

程なくして別のSNSで、あのMさん(この日記に出てきた人)が

 

同じような写真・同じような内容で投稿しているのを見る

萌絵はこの演奏会は一人で行くと言っていた

それぞれの写真は1階と2階で、離れている様子

ちなみにMさんもこの演奏会の関係者なので、聞きに行くことには違和感はない

さらにちなみに、Mさんは演奏会後、僕と萌絵が行く音楽サークルに来る人


何も変なところはない

それでも抑えられないモヤモヤ

僕はぐっとこらえて何も言わずにいた


演奏会の終了頃、萌絵からメッセージが

「しれっと帰ろうとしたけどMさんに見つかってしまい…気づかないようにしようとしたんだけど声かけられて、練習一緒に行くことになってしまった」

僕は「いいねアイコン」だけを送った

「ごめんね(泣き顔)」

僕は「いいねアイコン」だけを送った


そして練習の時間

結論から言うと2人は普段よりも遅刻気味に到着した


あまり遅刻はしない萌絵

マジメな性格のMさん

午後に演奏会聞いてからだから…

どこかで腹ごしらえでもしてたのかな…


でも遅刻か…


この日の練習の間、あまり萌絵を直視できなかった


それでも練習後はいつ戻り僕の車に乗り込む萌絵

「遅かったね」

僕はそれだけ言いたかった

そこだけちょっと理由を聞きたかった


結論としては

「演奏会後食事はした」(どうも2人ではない)

「道が混んでいた」

が理由 さらに

「もともと演奏者(萌絵も関係者です)と軽く会食する想定だった」




意見の食い違い

「この日はそもそも練習前に創平と会う予定ではなかった(思ってなかった)」

「そもそも練習前は迎えに行く前提だった(今日に限らずいつも)」

「この日、明確に練習前に会おうとはお互い言ってない」

思い込みが原因か…



些細ないざこざ

でもこれをきっかけに

またこれまでの僕の嫉妬絡みの話なども巻き添えに

かなりの口喧嘩


僕は嫉妬する人

でも束縛したいと思っているわけではない

ただ、(嫉妬してるんだ)と知って欲しかった

だからほんのちょっと、一言付け加えてくれるだけで

安心・納得できるのに

そんなふうに訴えた

 

 

今日だったら

 

渋滞で遅刻とわかった時点で一言メッセージくれたら…

 

僕も、そこだけを聞いて済ましていれば…



今日は、会話の流れ的に、すでに手遅れ…

 

萌絵に僕の言葉は届かない 理解を得られない

何かがお互い、ずっとすれ違ってる

うまく言葉にできない

だからなんか出てくる言葉は鋭くて

 

それがお互いに突き刺さる


もうダメだと思った

いや、別れる選択なんてできない

そういう意味で、本当にダメだ、と思った

 

そうすればいいかわからない

 

 

僕はわざと空気を読まずに後部座席に移動して

 

イチャイチャしよう と萌絵を誘う

 

(「おいで」って言っただけ)

 

萌絵は助手席から動かない

 

ずっと顔を伏せていて

 

もしかしたら泣いている

 

諦めて運転席へ戻る



萌絵は好いてくれてる

こんなにぶつかってばかりだから

昔の好きとは少し変わってきてしまってるかもしれない

でもその好きを信じて、2人じゃない時間に何があっても

何も言わない

それしかない


萌絵には最初から言われていること

 

そこにやっと気づく

正確には、とっくに気づいてたけど認めたくなかった事実

この日僕が変わったのは

何かを「諦めよう」という気持ち

でもこれができれば、萌絵とまだ続けていける


もう終電ギリギリだというのに

最後萌絵は本気で泣いていた

泣いているのに「じゃあね」と別れた

この日も、萌絵は最後まで手を振ってくれていた

僕は泣かなかった

何も考えられなかった

 

 

つづく