仕合わせる力が働いている場では、お互いが本音(たとえ反対意見であっても)が言いやすく、言っても対立を生みにくいという特徴がみられると思います。
 
そういう場として馴染みがあるものの一つに、…まぁこういう状況なので、一つ頼むよ…という具合に、親しげな感じで相談がもちかけられ、あらかじめ合意を取り付けておく「根回しの場」があるでしょう。
まるで時代劇での悪代官と商人越後屋の会話のようでもありますが…
元々、日本の村落では全会一致が原則でした。意見の対立は村落の存立を危うくするものとされてきたため、根回しは大変お役立ちだったと思われます。
密室での対話であるためにかえって本音で議論ができ,最終決定まで迅速に進むという側面があります。
一方、密室であるがゆえ、そこに呼ばれなかった人の気持ちは複雑ですし、どんな話し合いがされたのか憶測や疑いを招きやすいという面もあります。
 
せっかくですから、根回しという昔からのコミュニケーションスキルは活かしつつ、そこに相手とのコミュニケーションがうまくいくための仕合わせるアレンジ力をプラスして、全会一致でなくても納得感のある、対立を超えた場を創り出していきたいものです。
仕合わせる力は思いやりの土台の上に発揮されるものですね。
 
今日も暑くなりそうですが、どうぞお元気でお過ごしください。
根回しについては、こちらのサイトを参照しました。

 
〈ライター:斉藤知江子