エマ・ストーン女王陛下のお気に入り 哀れなるものたち | 映画ドラマ芝居のとびら(映像全般)

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特に海外の映画・ドラマが大好きです。心を動かされたセリフや感じたこと、紹介したい作品などについて、つぶやいていきたいと思っています。

エマストーンを知ったのは『女王陛下のお気に入り』です。女王にとり入り欲望のままに権力闘争を繰り広げる2人の女性のうちの1人。🕯ろうそくの火が効果的で暗く冷たい石の宮廷内の様子が映し出され、より一層人間のうちなる闘争心が浮き上がって見えました。そして彼女の演技力に魅せられました。『哀れなるものたち』が公開されており、是非劇場主演女優賞観てみたいと思っています。




『女王陛下のお気に入り』
制作2018年

制作国:アイルランド🇮🇪アメリカ🇺🇸イギリス🇬🇧

配給:20世紀フォックス

監督:ヨルゴス:ランティモス

脚本:デボラ:デイビス、トニー・マクナマラ

撮影:ロビー・ライアン

編集:ヨルゴス・モヴロプサラディス


出演者:

アン女王(オリヴィア・コールマン)

レディ・サラ(レイチェル・ワイズ)

アビゲイル(エマ・ストーン)


広角レンズ、魚眼レンズを巧みに使い分け、観客の深層心理に働きかけて豪華絢爛に見える広い宮廷内を女王さえも実は囚われの身であるのだとの恐怖感を与える演出。歴史物は好きですが、この時代特有の当たり前に行われていたであろう権力闘争のむごさ、仕打ちに見入ってしまいました。人間の本性、醜さが露骨に出てきます。見始めた時はこんな展開だとは思ってもいなかったです。誰もがもがき苦しみ上を目指していたであろう宮中での人間模様の描写が突き刺さるように展開していきます。アン女王、レディ・サラ、アビゲイルの3人のえげつないやり取りが続く中、男性陣は謎に静かでその対比も監督のなせる技なのでしょう。人を操る才能に優れていた影の権力者、レディ・サラの一本筋の通った人物像が、ラストに響いてきます。アビゲイルの没落貴族からの復活を望むまっすぐな知力行動力。そして国をも動かしてやろうという野望が凄まじいです。エマ・ストーンにあっぱれ!しかし、この映画の主役は女王のなのです。彼女の精神的バランスが壊れてしまう要因はいくつもあるのですが、王家に生を受けたが故の苦悩、良きも悪しくも国を動かす能力に欠け、悲劇に見舞われる中で、感情の赴くまま国の行末を幼馴染の言葉に委ねてしまう愚かさが描かれます。ただそれは愚かなことと簡単に言ってしまえるのか。人の心、置かれた立場によって、何かにすがりたい弱さは人間ならば誰しもが持つもの。ラストシーンに見応えありです。女王を軸に激しく命を削るように戦いをしてきた2人の女官。私が一番だとそれぞれにそう思っていた。女王もしかり。そしてその答えはラストに…観るものへと託されるのです。


ヨルゴス・ランティモス監督の作品をもっと観てみたいと思いました。何か暗く澱んだ奥深いところの戦いや想像を絶するものがあるようで。怖いもの見たさです。



★第91回年アカデミー賞(2019年2月)

 主演女優賞

 オリヴィア・コールマン

※「ROMA/ローマ』と並び9部門10ノミネートの中主演女優賞受賞しています。コールマン演技必見です。

★第72回英国アカデミー賞(2019年2月)最多7部門で受賞

 主演女優賞

 オリヴィア・コールマン

 助演女優賞

 レイチェル・ワイズ

 脚本賞

 デボラ・デイヴィス、トニー・マクナマラ

   含めて他7部門受賞

★ゴールデングローブ賞 映画部門 主演女優賞(ミュージカル・コメディ)

 オリヴィア・コールマン

★第75回ヴェネチア国際映画祭

銀獅子賞(審査員グランプリ)

 女王陛下のお気に入り ヨルゴス・ランティモス

ヴォルピ杯 女優賞

 オリヴィア・コールマン 女王陛下のお気に入り

  


『女王陛下のお気に入り』

この作品は各国の批評家に絶賛され世界中で数々の賞を受賞をしています。

賛否両論あるかも知れませんが、一度ご覧いただきたいです。