◆食料高騰問題
今日から数回にわたって食料問題について書きたいと思います。
国際マーケットでの食糧価格の上昇を受け、日本でも価格上昇が始まっています。
日本が食糧高騰にあまり気付いていない理由は、この一年で急激に進んだからです。
逆に、円高がここまで進行していなかったら、穀物相場での高騰の影響が日本の食卓に影響を及ぼしていたはずなのです。
国際食糧農業機関(FAO)が集計している穀物や乳製品などの「食料価格指数」は、2010年後半の半年間で32%も上昇。
2011年1月には、過去最高値に達した。
これは果たして、一時的上昇と呼べるでしょうか?
2008年の高騰は、2006年~2007年のアメリカ・ヨーロッパ黒海沿岸、オーストラリアの大旱魃などの異常気象が引き起こした、小麦の大減産。それにより、小麦の価格は跳ね上がり、連動するように穀物価格が高騰しました。
その後、秋のリーマンショックにより、穀物価格は下落しましたが、一定の値より下には落ちませんでした。(過去の「高値」止まり)
このように、価格変動を繰り返しながら、明らかに食糧価格は上がって行くのです。
また、自給率が低く、米以外の殆どの穀物を輸入に頼る日本は、価格主導権が無く、国際マーケットの値段に従うしか無いのです。
そして、近い将来このまま日本が食糧高騰に対し無策ならば、あらゆる食品の価格が現在の5~10倍になる可能性さえあるのです。
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