◆間違いを認め、反省し、そして気づく
3年前に中国と米国に行く機会を得ました。
その時に目にした光景がとても対照的でしたので、今回はそれについて少し書いてみたいと思います。
これまで中国人は、脂っこい中華料理を常食としているが、ウーロン茶等をよう飲むために肥満は少ない」と思っていましたが、予想外に多いのに驚きました。
しかも若い人の間にも広がっているのです。
北京の銀座通り、ワンフーチンには約100メートルおきにハンバーガーショップが並び、コーラやアイスを片手にハンバーガーをほおばっている若者の姿を見つけるのに苦労はしないのです。
日本で2、30年前から繰り広げられた光景です。
今後肥満はもっともっと増えるでしょう。
まさしくアメリカが行き着いた、日本が行き着こうとしている白砂糖、高脂肪、高カロリー(勿論、低ビタミン、低ミネラル、低食物繊維)の間違った食文化であります。
中国は今、経済の改革、解放の裏で確実に食の「間違い期」に入ったと私は考えます。
次にアメリカはどうだったかというと、「肥満が行き着く所まで行った」という感を禁じえませんでした。
しかし、そういう状況下であっても、私はこの問題に対する希望の光を日本料理の繁栄の中に見出したのです。
枝豆や豆腐をつまみにビールや日本酒を飲んでいる人たちが実に多いのです。
枝豆・豆腐に加えて、焼きサンマ、うどん、寿司、納豆巻き等々。
それらを食べている人たちは、心なしか(いや確実に)スリムなのです。
「食の間違い」が行き着いたことに気づいたアメリカは、新谷弘実博士が「胃腸は語る」(弘文堂)で指摘している通り、マクガバン報告以後、確実にその「反省期」に入ったと言えると考えます。
ひるがえって我が日本はどうかというと、医・食に係わる行政の閉鎖性も加わって、無批判的にアメリカを追いかけているのが現状ではないでしょうか。
アメリカが間違いに気づき、反省し、その結果、伝統的日本食を高く評価している現状に我々はもっと自信を持ち、自分たちの間違いにいち早く気づかなければならない「気づきの期」に入っていると思います。
- 胃腸は語る―胃相 腸相からみた健康・長寿法/新谷 弘実
- ¥1,890
- Amazon.co.jp