若い女性は、食べないで、摂取カロリーを減らすことによってやせるダイエットのほうが、
効果があると思っているようです。
本当は、運動することで、消費カロリーを増やすほうが健康的なのですが、
運動が苦手、時間がない、といった理由から、
どうしても「食べ物を減らしてやせる」という発想におちいることが多いのです。
でも、これが便秘の原因になってしまうことも考えられるのです。
もともと、便は体の中で不要になったカスが中心になってできています。
食事の量が少なかったり、カスの出にくい食品ばかり食べていると、
体の中で作られる便の量は少なくなってきます。
そうすると、一定量の便がたまるまで、当然時間がかかります。
その間に、どんどん水分は奪われ、コロコロの硬い便になり、さらに出しにくくなってしまうのです。
また、食べる量が少なかったり、消化しやすい食品ばかり食べていると、
消化器官が十分に働かず、動きが鈍くなっていきます。
楽をさせて、使わないでいると、せっかくもっている機能が衰えてしまうのです。
便秘の人は、特に食物繊維を多く含む食べ物を積極的にとることが必要です。
◆腸の機能が衰えている
老人にとっても便秘は大きな問題です。老人の場合は、年齢のために、消化器官の働きが衰えています。
若い女性は、消化器官を実際の年齢以上に「老化させている」ともいえます。
理由はさまざまですが、「消化器官を十分に使っていないことで衰える」
「便秘薬などの使いすぎで、腸の機能が衰える」ことが考えられます。
もちろん、この衰えは一時的なもので、本当に老化したわけではありません。
ぜひとも、本来の内臓の若さを取り戻したいものです。
健康な人は、毎朝決まった時間に便をだすことができます。
これは、「便を出したい」という反射が起きるためです。
でも、「便意を我慢する」ことが続くと「便を出したい」という反射は起こりにくくなります。
ついには、自然に便意を感じる力が衰えてしまうのです。
朝、支度が忙しくて便を出すヒマがない、便意が起きたのが電車の中だったので我慢してしまう、会社でトイレに行くタイミングを逃してしまう、といった生活習慣が、ひいては「便意を感じられないからだ」を作る可能性があるのです。
本来、便を出すという行為は、リラックスしているときでないとできません。
力を緩めて排泄する働きは、副交感神経が担当しているためです。
ですから、交感神経が担当する緊張、興奮状態にある間は、便意を起こすこともままなりません。
ストレスが多い現代では、「便意を感じる」のは難しいことになっているようです。
◆ストレスと自律神経失調症
また、ストレスが原因で起きる自律神経失調症の症状には、便秘も含まれます。
内臓の動きをつかさどる自律神経が、上手に働かないため、消化吸収、排泄にまで影響を及ぼすのです。
特に、強いストレスにさらされている場合などは、それが便秘の原因になることもあります。
◆女性ホルモンの影響
女性の便秘の原因のひとつに、女性ホルモンの問題もあります。
男性には便秘が少ないことからも、女性ホルモンとは関係がありそうです。
学説は多々あり、どれが正しいかは、はっきりとしていません。
妊娠中に便秘がちになるのは、物理的に腸が圧迫されること以外に、
黄体刺激ホルモン(プロラクチン)の影響があるとも言われています。
また、妊娠中と生理の前は、体の状態が似通っています。
このとき、消化器官の動きは遅くなり、大腸での水の吸収がさかんになります。
これが、水分を失ったパサパサの便を作り出し、便秘につながるというわけです。
また、便秘になりやすい人は、生理痛がひどく、生理の周期が一定していない、という傾向もあるようです。