津軽三味線の教室開講を告知するため、開講予定の建物内に「津軽三味線教室4月開講!」とか「3月体験会実施!」というような内容の張り紙を多数しています。

そんな中一人の男性が「うちの亡くなった母親が細棹を昔弾いていたから、探したら押し入れの何処かにあるんだなぁ~」と話しかけてくださいました。そのお話の時に、三味線があるのでしたら、習ってみませんか?と言うお話をして「習うか分からないけど、じゃあ探してみるよ」とおっしゃってその日はお帰りになりました。

次にお会いした時に「あったよ!あった!」とご報告下さり、そのお三味線は93歳でお亡くなりになったお母様が60歳の時「お母さんは昔三味線を弾いていたねぇ~又弾いて下さいね~」と男性の「お姉さま」がお母様にプレゼントされたものだったそうです。その事を男性の奥様が良く覚えておられ、男性に教えて下さったそうです。「母親が昔から持っていた三味線は何処に行ったか分からないけれど、お姉さんが母にプレゼントしたものは出てきました」と言う事でした。

お姉さんがプレゼントされたお三味線も、購入してから30年以上経っているわけですし、皮も破れているだろうというお話でしたが、もし三味線を弾いてみたいなぁ~とお考えでしたら犬皮を貼って、弾きやすい民謡など弾いてみませんか?とお話ししました。

皮は猫ですか?とおっしゃるので「犬を貼って下さい」とお伝えして、急いで値段を調べてみると、犬皮を民謡の三味線に貼ると両面で16000円ほど。津軽に比べて安い!その事をお伝えすると「思っいたより安いね~」と喜んで下さいました。

この男性が三味線を習って下さるかどうかは分かりませんが、こういう家族の歴史についてお話を聞かせて頂け、もしもそのお三味線で、息子さんが何か弾かれたとしたら、上手下手という事を超えた温かい感動があるように思いました。30年振りに音を出す三味線にもワクワクしそうです。

三味線がタンスで眠っていて、そんな三味線で「地元の民謡を昔の母のように弾いていたいなぁ~」というような事のお手伝いがもしも出来るとしたら、こんな幸せなお仕事ないですよね。夢みたい♪嬉しい出来事だったので、ご報告です。