昨晩テレビで素敵な女性を見た。老舗豆腐店の奥様だ。眼に力が溢れ、頬は白くかすかに上気し、かなりのお歳なのに皴がない。骨年齢が十八歳だと医者に言われたそうだ。彼女が毎日食べているのが、魚粉をまぶした冷奴だ。私は、スーパーが開くやいなや、豆腐五丁と、魚粉とエビ粉を買ってきた。レジのおばさんが、昨日のテレビ観たな、と気づいているようで、落ち着かなかった。
その後、ジムで五十分のエアロに参加した。二メートル前で、知人の娘さんが演技している。私は時々後姿に目が行ってしまう。兆候が顕れていないか気になる。彼女は精神を患っている。子供がいるから、まさか自殺はしないだろうが。最後の十分間の筋トレで、腹筋が攣りそうになった。
コピー会社から大量の用紙が送られてきた。二週間前には、トナー二個だ。これで儲かっているのだろうか。私は、一ヶ月前に、契約を確認してくれと電話した。間違いありませんという。だから注文してしまった。だが、どうも、彼らがミスをしているように思えてならない。私が、そのミスに乗じているようで、罪悪感を感じる。私が、仕組みを知らず、ナイーヴなだけなら、むしろそのほうがいいか?
青年たちに、弁護士時代の若きリンカーンの話をした。体格が労働者風で、見かけは賢そうではなかった、しかし、冤罪の男を絞首刑から救った、と語った。彼らは微笑んだ。
W氏から十日振りに電話があった。ここのところ、ウヰスキーの水割りを楽しんでいるとのこと。すでにもう、楽しそうで、呂律が回っていない。チュウハイやビールの缶は出なくなったらしい。三日で風呂桶みたいなポリバケツをいっぱいにしていた。奥さんがあきれていた。今もまた、フンと向こうをむいているが心配なので傍に坐っている奥さんの姿が目に浮かぶ。
そばの公園を支配する巨大な二本の桜の木が、剪定を終え、五分刈りの中学生の頭のようになって、青々そびえている。三つのベンチは今日も満員だ。簡単な東屋がある。ホームレスが居ついた。三人いる。仲良しになったことが分かる。話が尽きないらしいからだ。彼ら、一様に、顔が茶色い。
ゴーストの依頼があった。土曜に会う。