向こう脛を正面から見ると、怒ったコブラのように、ふくらはぎが膨れていたそうだ。

私の父方の祖父のことだ。

自分の子供を背中につかまらせ、抜き手で川を泳ぐと、一ストロークごとに、水面から胸が出ていたという。

叔父の話だが。

私も、いささかの遺伝の賜物か、ふくらはぎは普通よりは太い。太かった。

ただ、火傷の古傷跡が破れてしまい、二年間、下半身の運動ができなかった。

女バレリーナ並みに足が細くなってしまった。

やっと復帰し、ダンスやエアロを始めたところだ。

ヒップホップのインストラクターの幸子が、まーだ、どーかあるの? と訊いてきた。

自信がないね。ジャンプするのが怖いな。

あんくらいでいいんじゃないの。徐々に慣らしていって。急に変なことしないで。なんかあったら、あたしの責任になるから

はい、わかりました。

ふくらはぎを、徐々に慣らしていくつもりだ。