すれ違った男が、今は料亭を経営している小学生の時の同級生だった。向こうは不審気に私を見ていた。
寂びれきって暗いトンネルと化した商店街を通る。青木という友人の親がここで八百屋をやっていた。ニコニコ顔の母親が、両手を握り締めて近寄って来たものだった。
屋敷君の経営していた店はまだ開いていないので、近くの店で、ビールと餃子。
道を渡って蒲鉾店に入る。小学生の時の同級生の店だ。彼と相撲をとると、かまぼこのにおいがした。男が出てきた。息子だと言った。友人の弟に顔が似ていた。お父さんは、若い時にバイクの事故で片足が三センチ短くなったよね、と言うと、憤然として、じゃあ、間違いですね、ここじゃないですね、と言って、さっさと奥に引っ込んでしまった。