旧九大教養学部のキャンパスの脇を歩いていると、大邸宅に出くわした。よく遊びに来た友の家だ。邸内の一角に小さな離れがあり、女中さんとその息子が住んでいた。その息子もまた同級生だった。両方を私は訪れていた。同じクラスに、雇用者の息子と被雇用者の息子がいた。主人と女中の関係が、息子たちの関係にどう影響していたか。二人は教室では顔を合わせないようにしていた。それ以上のことはこちらは聞かなかった。女中さんの息子は、ある時私を大声で罵って、すぐ後に転校していった。