懐かしい石段を上り、並んだ墓標の前で、ねっころがる。高一のとき、やはりここでねっころがって、カラマーゾフを読んだものだ。起き上がって、墓標の裏書を読む。書いた人物の一人に中牟田なにがし氏がある。軍人だ。中学の同級生だった中牟田君の縁者だろうか。中牟田君の母親は、テニス一家加茂一族の出で、当人も女子テニスプレイヤーで有名だった加茂幸子だ。父親は、岩田屋デパートの社長で、国体では福岡県の団長だった。
大学生の時、中牟田君は私の下宿を訪れて、いい暮らししてるな、などとほざいた。
デパートの経営では、彼、ミスった。人がいいので、悪いやつにだまされたのだろう。
大学生の時、中牟田君は私の下宿を訪れて、いい暮らししてるな、などとほざいた。
デパートの経営では、彼、ミスった。人がいいので、悪いやつにだまされたのだろう。