過去の記録と記憶が全て残っていたとしたら、現存する人々は身動きが取れなくなるだろう。過去の事象と過去の人々がどの場所においても重なり合って現れたとしたら、どんな大容量で立ち向かおうと、地上ははち切れてしまう。忘却のおかげで人々は自由の余地に恵まれるのだ。
昔々、女子アナだった母は、放送局の廊下で、日本人離れした、長身でハンサムな青年とすれ違い、一目ぼれしてしまった。後に母は、父に尋ねたそうだ。もう一度生まれ変って私を見つけたら、あなたどうする? 一応、声はかけるね、だって。
(ネヴァーランドの一節)父は、空想的な生命をこの世で実現したかったのだろう。宇宙の論理に則ってはいるが、非歴史的、非進化的な仮想生命を。仲間たちだけではなく、僕もまたその実験台になった。この帝国という共同体もまたそうだ。父は、ほくそ笑んでいることだろう。
スマホで世界へつながっていけるか? いけない。中高校生たちは、仲間とおしゃべりをしているだけだ。大人たちだって、サークル内に閉じこもっている。スマホで出来た内輪は安心快適だが、外はキモい? 電車の中で皆さんなにをしているか? 画面を一本指で蹴っている。テレビを観るように受動的にプログラムを観ているだけだ。一車両に一人ほどは二本指を使う人もいる。しかし、全員指の動きが緩慢である。打ち込んで発信してはいない。つまり、世界へつながろうとしていない。
わたしは、つながりたくないきもちを、つなげたい。というきもちを、つなげたくない。というきもちをつなげたい。という……
昔々、女子アナだった母は、放送局の廊下で、日本人離れした、長身でハンサムな青年とすれ違い、一目ぼれしてしまった。後に母は、父に尋ねたそうだ。もう一度生まれ変って私を見つけたら、あなたどうする? 一応、声はかけるね、だって。
(ネヴァーランドの一節)父は、空想的な生命をこの世で実現したかったのだろう。宇宙の論理に則ってはいるが、非歴史的、非進化的な仮想生命を。仲間たちだけではなく、僕もまたその実験台になった。この帝国という共同体もまたそうだ。父は、ほくそ笑んでいることだろう。
スマホで世界へつながっていけるか? いけない。中高校生たちは、仲間とおしゃべりをしているだけだ。大人たちだって、サークル内に閉じこもっている。スマホで出来た内輪は安心快適だが、外はキモい? 電車の中で皆さんなにをしているか? 画面を一本指で蹴っている。テレビを観るように受動的にプログラムを観ているだけだ。一車両に一人ほどは二本指を使う人もいる。しかし、全員指の動きが緩慢である。打ち込んで発信してはいない。つまり、世界へつながろうとしていない。
わたしは、つながりたくないきもちを、つなげたい。というきもちを、つなげたくない。というきもちをつなげたい。という……